“ペットを健康に”道産食材にこだわりペットフード事業を展開「AEI INTER WORLD」酒田晶子さん #BOSSTALK

【食品】レストラン経営や食品加工を手掛けるアエイインターワールド(札幌)がペット事業に本格化させ、人も食べることができる安全な商品を販売している。代表取締役の酒田晶子さんに北海道のペットフード事業の成長の可能性を聞きました。

イタリアでピッツァに出合い、一大決心 人生の転機に

2002年 石窯ピッツアの店をオープン

――北海道出身ですね。小さい頃の夢は? 実現に向けてどんな進路を歩まれましたか?両親が自営業だったので、ビジネスの世界で何かやろうと漠然と思っていました。学生を卒業してプリンスホテルに就職し、ブライダルや宴会の営業をしていました。会社は1年間で辞め、たまに海外に行き、今後、何をしようかと(やりたい仕事を)探す旅をしていました。イタリアに行ったとき、石窯でピッツァを焼いているのを見て、衝撃を受け、「これだ」と思い、日本に帰り、イタリアンレストランを開く準備を始めました。――お店は?ピッツァローネです。 (当時)ナポリピッツァは北海道ではまだ馴染みがそれほどなく、石窯を入れる店もあまりなかったと思います。それでイタリアから石窯を持ってきて入れました。イタリアのナポリピッツァを特徴に打ち出し(2002年、札幌に)オープンしました。――最初の思いをそのまま形にしましたね。はい、石窯ありきでした。――お店の経営の調子は良かったのですか。最初はやっぱり大変でしたが、少しずつ(良くなりました)。2005年にハンバーグの専門店「竈(かまど) 円山」をオープンさせました。

ハンバーグは短角牛を使い、つなぎを入れない本格派

竈でじっくりと焼き上げたハンバーグ

――ハンバーグ専門店を出したきっかけは?ピッツァのときも、自分がピザやパスタが好きだったことがあります。お肉が好きなので2軒目は好きなジャンルの親しみのあるメニューを、とハンバーグ店にしました。つなぎを入れないことにこだわり、短角牛の赤身の肉を選びました。しかも炭火で焼く。フットボール形にして、じっくりと焼いてハンバーグというより、お肉を楽しんでもらうと、提供しています。――今、どのようなことに力を入れられていますか?ペットフードなどのペット事業ですね。子どもの頃から、ワンちゃん猫ちゃんと一緒に暮らす生活をしていました。飼っている犬が鳥のアレルギーを発症しました。調べると、大きな原因は保存料や添加物という結論にたどり着きました。今まで食をやってきたので、人間が食べる食材で、ペットフードを作れないかと思い、ペット事業を始めました。

人も食べられるペットフード 高品質の素材にひと手間かける

道産食材を中心に製造

――どのような商品を作られていますか?北海道の食材を使った鹿肉、サケ、ブリ、ホッケなどを作っています。添加物を入れないので飼い主さんも一緒に食べることができるというのがコンセプトですね。――その中で大切にしていることは?第一に食材の品質ですね。できる限り人間の食と同じように、トレーサビリティが見えるものを選ぶようにしています。二つ目は人の手を加えるひと手間。これがおいしいものを作ることができる秘訣ではないかと思います。――反響はどうですか?お店に来ていただいた飼い主さんに試食をお願いすることもあります。そうした販売は今まであまりなかったので、やはり飼い主さんの信頼度は高いです。飼い主さんには「わが子」のように、ペットと一緒に生活している人が多いので、安心して食べていただけるアイテムになっていると思います。

経営者として直感力を大切にし、「楽しく仕事をしたい」

健康を考えたペットフードを販売

――食べ物など、ペットを取り巻く環境は良くなっていると感じますか?飼い主さんが勉強され、ペットフードの選択枠が増えました。ペットフードは飼料ですが、厳しい目線で選ぶことが多くなっており、やはり「わが子」に食べさせるものは安全で、できる限り良い商品を求める方が多いですね。――ペット事業は伸びていますか?そうですね。特にコロナ禍はペット事業があったのでかなり助かった感じがします。――ボスしてどういうことを大切されていますか?私自身が楽しく仕事をしたいと思っています。一緒に働くスタッフさんが(私の働く姿を)見て、仕事をこんなに楽しくできると、何か伝えることができるかなと思っています。あと大切にしているのは直感力ですね。――最初の判断を大切にするのですね。そうです。

食材の良さを生かし、ペット先進国へ 北海道から発信

北海道からペットの先進国に

――会社の柱を将来的にはどうしたいと思いますか?会社の柱はレストラン、食品加工、ペット事業の三つあり、そのバランスが良いのがベストです。ただ、これからの成長産業はペット事業だと思います。日本の3世帯に1世帯がペットを飼っていると言われています。人間が食べる「北海道の食」は北海道ブランドとして世界的にも信頼が高く、人気があります。ペットフードも北海道から発信して世界に安心だと認知されるブランドになればと思っていますね。――北海道で事業を行うからこそのメリットが感じられますか?北海道の食材の力はすごく良く、その部分を最大限に引き出して、ブランディングしていければと思っています。日本ではペットフードはまだまだ飼料ですが、ペットの先進国では法律で人と同じような食材でなければ駄目だと明確にされており、本当に人が食べられる食材を使っている。北海道からペットの先進国になれる形ができるのではと思っています。

© 北海道文化放送株式会社