理研/埼玉県和光市に量子コンピューター研究開発拠点、25年4月着工へ

理化学研究所(理研)は埼玉県和光市に量子コンピューターやAI、バイオ分野などの研究拠点を整備する。建設予定地は理研和光地区の南側に隣接する国有地。2025年3月に土地を取得し同4月に整備着手。2期に分けて建築工事を行う。第1期は「複合研究棟1期棟」、第2期は「複合研究棟2期棟」「研究創造連携イノベーション棟」を整備する予定。30年ごろの全体完成を目指す。
対象地は埼玉県和光市南2の1535の35ほか。敷地面積は3万3259平方メートル。旧米軍キャンプ朝霞の跡地で、現在は雑木林となっている。北側に理研和光地区が隣接し、南側には税務大学校和光校舎や国立保健医療科学院、裁判所職員総合研修所などがある。東武東上線和光駅からは南へ約1・4キロの距離に位置する。
理研は量子分野の新たな研究や開発のほか、量子やスーパーコンピューター、AI、バイオなどの最先端技術を分野横断で連携、交流するための拠点施設と位置付け、新たな拠点施設を整備する計画。第1期で4階建て延べ1・5万平方メートル規模の「複合研究棟1期(量子技術等研究施設)」を建設する。内部には大規模クリーンルームや研究実験室、見学スペースなどを設ける。
第2期では「複合研究棟2期(量子技術等研究施設)」と「研究創造連携イノベーション棟」を建設する。複合研究棟2期は4階建て延べ7000平方メートル程度を想定。小規模クリーンルームや研究員居室、会議室が入る。研究創造連携イノベーション棟は2、3階建て延べ5100平方メートル程度の規模。研究員同士や民間企業との交流空間として、討論スペースや企業連携研究室を入れる予定だ。

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