◆ 「“もう勝負に来るだろう”っていうのを読んだ」
中日は28日、本拠地での西武戦に3－0で勝利。交流戦を白星発進したほか、リーグ戦から続いていた連勝の数字も「3」に伸ばした。
本拠地で連勝を継続していた中日は、3回、無死二塁から先発の髙橋宏斗が犠打を成功させると、さらに打球処理に入った西武の今井達也が三塁へ悪送球を記録し、二塁走者岡林勇希が一気に本塁に生還して先制する。
この間に髙橋宏は二塁まで進塁してなおも無死二塁が継続すると、続く村松開人が放った浅めの右飛でタッチアップを成功させ、一死三塁に状況が変化。ここで迎えた田中幹也が粘った末に6球目でセーフティスクイズに打って出ると、髙橋宏が三塁から懸命に走り追加点を自らの足でもぎ取った。
その後はソロ本塁打で着実に点差を広げた中日が逃げ切りを成功させたが、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で番組MCを務めた高木豊氏は「中日らしいというか……渋い点の取り方でしたね」と勝敗を分けた采配として同場面のスクイズに熱視線を浴びせた。
高木氏は続けて「2ボール2ストライクからよくかけましたよ」とバント失敗でアウトを献上する状況から打って出た勇気を称賛すると、同じく出演した笘篠賢治氏は「本来だったら、一死三塁はギャンブルスタートとかでも、もう1点を取りたいっていうような形じゃないですか。ただ三塁走者は髙橋宏で打者は当てるのがうまい田中。その中で、相手も絶対に外してこないで“もう勝負に来るだろう”っていうのを読んだ」と同場面を分析。
田中と髙橋宏もさることながら相手バッテリーの心理を完全に読み切った立浪監督の勝負眼を解説し、「もしこれが失敗していたら何を言われるか分かりませんけど、そういう監督が責任を被る覚悟ができた采配」とリスクを承知で攻めの采配に打って出た胆力に脱帽した。
4月は3位で終えるも、5月に入り一時は最下位まで落ちるなどやや低迷気味だった中日。特に第3週は4連敗を喫するなど苦しい時期を過ごしたが、ここにきて少しずつ状態は上向きつつある。チームを勝利に導く立浪監督の采配に今後も注目していきたい。
☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
