NY市場サマリー(28日)ドル上昇、利回り上昇 ナスダックが初の1万7000突破

<為替> ドルが序盤の下げから切り返し上昇に転じた。米債入札が軟調な結果となり米債利回りが4週間ぶりの高水準を付けたことを受けた。

米財務省が実施した2年債と5年債の入札は需要が低調となった。フォレックスライブのチーフ通貨アナリスト、アダム・バトン氏は、軟調な入札結果を受けた米債利回りの上昇にドルが追随したとの見方を示した。

また、コンファレンス・ボード(CB)が発表した5月の米消費者信頼感指数は102.0と、予想に反し4カ月ぶりに上昇。バトン氏は、消費者信頼感指数の改善は「より堅調な成長」を示唆していると述べた。

米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、米連邦準備理事会(FRB)は利下げする前にインフレが著しく改善するのを待つべきとの考えを示し、インフレ率がさらに低下しなければ、FRBは利上げに踏み切る可能性もあると述べた。

市場では、31日発表の個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。

ドル指数は0.03%高の104.59。ユーロは0.01%高の1.0859ドル。ポンドは0.05%安の1.276ドルとなった。

29日発表のドイツ消費者物価指数(CPI)、31日発表のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、欧州中央銀行(ECB)による利下げ時期を見極める手掛かりとして注視される。

ドル/円は0.18%高の157.15円。日銀が発表した4月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標は、前年同月比の伸び率が3指標そろって2%を下回った。

暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが2.48%安の6万7860.42ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが上昇した。この日行われた2年債と5年債の入札が低調な結果となり、米国債の需要に対する疑念が高まった。

投資家はまた、FRBの緩和ペースと時期を巡る不確実性を示唆する経済指標を消化した。

この日は新発2年債690億ドルと5年債700億ドルの入札が行われ、市場は大量供給に直面した。この日、財務省が供給した債券は合計2970億ドルとなった。

今週の入札総額は6000億ドルを超える。

データによると、2年債券入札は不調に終わり、入札後の利回りは5月第1週以来の高水準を記録した。2年債入札の最高落札利回りは4.917%で、入札締め切りの時点で予想されていた水準を上回った。

5年債入札もほぼ同じく低調な結果となった。最高落札利回りは4.553%と予想より高かった。応札倍率は2.30倍と、前回の2.47倍を下回り、2022年9月以来の低水準となった。

午後の取引では、指標となる10年債利回りは6.5ベーシスポイント(bp)上昇し、4.538%となった。一時4.546%まで上昇し、5月3日以来の高水準を付けていた。

30年債利回りは7.5bp上昇し、4.652%となった。一時は4.66%まで上昇する場面があった。

2年債利回りは1.9bp上昇の4.972%。一時、約4週間ぶりの高水準となる4.981%まで上昇した。

5年債は5.6bp上昇の4.587%だった。入札後には5月2日以来の高水準となる4.594%に達した。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス43.8bpだった。

LSEGの金利確率アプリによると、この日発表された住宅価格指数と消費者信頼感指数を受けて、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む利下げ回数は25bpが年内に1回となった。開始は11月とみられている。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> ナスダック総合が初めて1万7000を突破した。米半導体大手エヌビディアの上昇が寄与した。一方、米債利回りが上昇する中、S&P総合500種は小幅高、ダウ工業株30種は小幅安となった。

エヌビディアは7%上昇。他の半導体株も連れ高となった。フィラデルフィア半導体指数は1.9%高。

S&P主要セクターでは情報技術が上げを主導する一方、ヘルスケアと工業の下げがきつかった。

米国債市場で入札がさえず利回りが上昇する中、米株市場は午後に下げ足を速めた。

LPLファイナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「入札が低調な結果となり国債利回りが上昇し、(株式)市場がネガティブに反応した」と指摘。市場は、利回りが上昇して経済を圧迫しFRBの利下げ見通しに影響を与えることを望んでいないと語った。

今週はダラー・ゼネラル、アドバンス・オート・パーツ、ベストバイなど複数の小売り企業の決算発表も予定されており注目される。

アップルは4月の中国でのiPhone販売台数が前年同月比52%増加。これを受けて株価は一時上昇したが、終盤に上げ幅を縮小しほぼ横ばいで引けた。

ゲーム販売のゲームストップは約25%急伸。同社は24日、4500万株を売却し9億3300万ドルを調達したと発表した。

石油大手ヘスは28日開催した株主総会で同業シェブロンによる530億ドルでの買収案が承認されたと発表。株価が0.4%上昇した。シェブロンは0.8%高。エクソンモービルも1.3%上昇した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 対ユーロでのドル安を背景に、5営業日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前週末比22.00ドル(0.94%)高の1オンス=2356.50ドル。

この日の外国為替市場では、ドル安・ユーロ高が優勢。ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いが入った。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 対ユーロでのドル安や需給引き締まり観測などを背景に買われ、続伸した。 米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前週末清算値(終値に相当)比2.11ドル(2.71%)高の1バレル=79.83ドルだった。8月物は2.12ドル高の79.35ドル。

外国為替市場ではドルが対ユーロで下落。ドル建てで取引される商品に割安感が生じ、買いが先行した。また、6月2日に予定される石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の閣僚級会合で、現行の自主減産量が維持されるとの観測も相場の支援材料となった。

相場は前週に2.92%下落しており、安値を狙った買いや持ち高調整の買いも入りやすかったもようだ。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 157.16/157.1

7

始値 156.86

高値 157.20

安値 156.59

ユーロ/ドル NY終値 1.0855/1.085

9

始値 1.0876

高値 1.0888

安値 1.0856

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.50 4.6628%

前営業日終値 100*25.0 4.5770%

0

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*20.00 4.5480%

前営業日終値 99*07.00 4.4730%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*04.5 4.5920%

0

前営業日終値 100*13.0 4.5310%

0

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.88 4.9785%

前営業日終値 99*27.38 4.9530%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 38852.86 -216.73 -0.55

前営業日終値 39069.59

ナスダック総合 17019.88 +99.09 +0.59

前営業日終値 16920.79

S&P総合500種 5306.04 +1.32 +0.02

前営業日終値 5304.72

COMEX金 6月限 2356.5 +22.0

前営業日終値 2334.5

COMEX銀 7月限 3213.7 +163.8

前営業日終値 3049.9

北海ブレント 7月限 84.22 +1.12

前営業日終値 83.10

米WTI先物 7月限 79.83 +2.11

前営業日終値 77.72

CRB商品指数 300.2346 +5.9573

前営業日終値 294.2773

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