駆け抜けて軽トラ・小野島徹「年収5万円くらいでした」餅田コシヒカリとの知名度格差“1位”のコンビ愛

駆け抜けて軽トラ・小野島徹 撮影/三浦龍司

フリーアナウンサー加藤綾子さんそっくりの顔に、タンクトップの裾からハミ出た鏡餅のようなお腹の肉を揺らすーーいちど見たら忘れられないギャップを持つ芸人、餅田コシヒカリさん。相方は、ネタ作成者にもかかわらず、究極の“じゃないほう”な存在感を発揮する小野島徹さん。男女コンビ、駆け抜けて軽トラのふたりに聞く、THE CHANGEとは。【第5回/全5回】

コンビ結成2年目の2019年、同12月放送『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で、「昭和ポルノ」シリーズを披露し、見事優勝したお笑いコンビ・駆け抜けて軽トラ。ネタ作成を担当するのは小野島徹さんだが、「加藤綾子さんそっくり芸人」の餅田コシヒカリさんの存在感が際立つ、という事実が実証されてしまったのが、2023年10月18日放送『水曜日のダウンタウン』(TBS系)だった。

その内容はというと、『細かすぎて~』常連で2022年12月放送の同番組で優勝したラパルフェの都留拓也さんと、その相方の尾身智志さんが持ち込んだ企画「コンビ芸人知名度格差ランキング2023」を街頭アンケートにより検証するというもの。ラパルフェのコンビ知名度格差は16倍の2位だったが、コンビ知名度格差87倍でぶっちぎり1位だったのが、駆け抜けて軽トラだったのである。

ーー街頭では、小野島さんを知っていたのは300人中たった1人でしたね。

小野島徹さん(以下、小野島)「300人に1人だったから優勝できてよかったと思っています」

餅田コシヒカリさん(以下、餅田)「0人だったらね」

小野島「なのでこのまま格差はありつつも、母体数が増えていったらいいなと思っているんです。餅田さんの知名度が80%になって、僕の知名度が3%になって、とか、母数が増えていけばいいなと思いますね」

「年収5万円くらいでした」

4月6日には単独ライブを成功させたばかりとあり、じわじわと母数を増やしているにちがいない。「劇場だけで評価されていたような芸人」だったというピン芸人時代とは、見える景色がまったくちがうのではないだろうか。

小野島「そうですね、だって当時の僕、年収5万円くらいでしたから」

ーー……ん? 年収? 月収ではなく?

小野島「年収です。当時、妻がマンションを購入してくれて、そのときに妻と銀行員が電話していて"旦那さんのお給料面もうかがいたいです”と言われて。電話を代わって、“いま、こういう仕事をしていて、あまり収入がないんです”と話すと、“お給料、いくらくらいですか?”と聞かれたので、“5万円くらいですかね”と答えました。そしたら今みたいに"月でですか?”と聞かれたので、“年です”と言いました。すると、“年!?!?”って。まったく同じ反応です」

ーーえ! ほんとうに年ですか!?

小野島「はい。銀行員もびっくりですよ。餅田さんは自分のことを、僕とコンビを組む前は"人間ではなかった”と言いますが、僕もそう、人ではなかったってことです」

駆け抜けて軽トラ(左から小野島徹、餅田コシヒカリ) 撮影/三浦龍司

「僕が作るラーメンがいちばんおいしいって、妻が言っていたんです」

ーーじゃあアルバイトをしていたんですね。

小野島「アルバイトも当時は辞めていたから、家でずっとマンガを読んでいたりしていました」

餅田「ヒモをしていたんですよね」

小野島「骨を砕いてラーメンを作ったりとかしていたんです。ラーメンを作りながら妻の帰りを待つ、みたいな」

ーー本格的なラーメンを作っていたんですね。

小野島「白湯スープを作っていたんです」

ーーそれはガス代がかかりますね。

小野島「僕が作るラーメンがいちばんおいしいって、妻が言っていたんです。ほんとうに美味いのを作ってたので」

年収5万円で、じっくりと煮込んだラーメンスープを作っていた小野島さんが結婚したのは、10年前のこと。結婚5年目の12月のことは、いまでも忘れられないという。

駆け抜けて軽トラ・餅田コシヒカリ 撮影/三浦龍司

餅田「2019年の『細かすぎて~』優勝の日ですよね、奥さん、すごい泣いていたんですよね」

小野島「ものすごく喜んでくれました。そのあとも『ぐるぐるナインティナイン~おもしろ荘 お笑い第七世代ネクストスター発掘SP~』(日本テレビ系)に出たりで、すっごく喜んでくれましたね。妻の両親もすごく喜んでくれたんですよ。ちょうど『細かすぎて~』で優勝した翌日が法事で集まりがあったので、親戚の前で立たされて、お義父さんから“昨日優勝したんでね、応援してやってください”と言われました」

昨年12月放送の『細かすぎて~』では、新たなネタである「女子であることを隠しながら甲子園優勝を目指すキャッチャーが主人公の漫画」シリーズでトップ5に入った。着実に、コンビ間の知名度格差は縮まっているはずだ。

駆け抜けて軽トラ(かけぬけてけいとら)
小野島徹(おのじま・とおる)。1987年9月16日生まれ、埼玉県出身。
餅田コシヒカリ(もちだ・こしひかり)。1994年4月18日、宮城県出身。
2017年にコンビを結成。餅田さんによる、フリーアナウンサー加藤綾子さんにそっくりな顔と、似ても似つかないボディのギャップで一躍人気に。2019年12月14日放送『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)内の『博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~』で優勝。以降、同番組の常連。

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