防御率67.50は今や昔…中日23歳が“12球団最強”の「5.5」 異次元魔球は「キレが違う」

中日・松山晋也【写真:矢口亨】

開幕時は防御率67.50も…4月以降は防御率0.45と圧倒

中日右腕の“魔球”に注目が集まっている。松山晋也投手は交流戦開幕前の27日時点で22登板し、11ホールドを挙げて防御率2.61、WHIP0.82の好成績。平均球速151.3キロの快速球も大きな武器だが、投球を支えるスプリットにファンも「キレが違う」「キレッキレで笑った」と驚きを隠しきれない。

26日にバンテリンドームで行われたヤクルト戦では5-0の9回に登板。2死三塁のピンチを背負ったものの、ドミンゴ・サンタナ外野手をカウント2-2から伝家の宝刀スプリットで空振り三振を奪うと、ホセ・オスナ内野手もフォークで空振り三振に仕留めてゲームセット。ピンチを抑え、ガッツポーズをかかげた。

セイバーメトリクスの観点からプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータによると、スプリットによる失点増減の合計「wSF」で松山は12球団トップの「5.5」をマーク。投球の約4割を占める変化球の切れ味の凄さはデータでも裏付けられた形だ。

もっとも、開幕は波乱のスタートだった。3月29日に行われたヤクルトとの開幕戦(神宮球場)では1死も奪えず4失点。失策絡みでの失点で当初は自責点1だったが、その後に記録が訂正され、防御率は27.00から67.50へ跳ねあがった。しかしその後は復調し、4月以降は20登板で防御率0.45と難攻不落の状態。ファンも「もう開幕したときの松山晋也じゃないんだよ」と絶賛している。

八戸学院大から2022年育成ドラフト1位で入団した右腕は、昨年6月に支配下選手登録され、36試合登板で1勝1敗、防御率1.27の大活躍。今春に野球日本代表「侍ジャパン」に選出されると、プロ2年目の今季は勝利の方程式を任されている。今後も球界屈指の“魔球”を駆使して好投を続けるか、注目される。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。

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