<中国EV考察シリーズ>自動運転が多くのシーンに応用、ドライバー不足解消も

自動運転はすでに中国で多くのシーンに応用されており、発展速度は予想を上回っている。

日本の自動車業界に従事する日本の友人の要請に応じて、4月に友人の所属する会社の一行を連れて中国の電気自動車(EV)業界の最新動向を視察した。三つのテーマに分けて考察する。

テーマ1:自動運転の応用

中国政府はここ数年、自動運転の発展を支援している。中国工業情報化部が2017年に公布した「国家車聯網産業標準体系建設ガイドライン(インテリジェント・コネクテッドカー)」では、自動運転のインテリジェント・コネクテッドカー(Intelligent Connected Vehicle,ICV)標準体系の構築に言及し、後続の企業が積極的に参入した。自動運転はすでに中国で多くのシーンに応用されており、発展速度は予想を上回っている。

自動運転タクシー

中国では北京、上海、広州、深セン、重慶、武漢、長沙、蘇州など多くの都市で自動運転タクシーが運行されている。

以下は広州での乗車体験だ。

1.ポニー・エーアイ(小馬智行)のアプリをダウンロード

2.携帯電話番号で登録、ログイン

3.初めて利用する場合は無料体験券がもらえる

試行都市でも自動運転の対象地域は一部のエリアに限られる

4.目的地を入力し、タクシーを呼ぶ(事前予約がおすすめ)

5.タクシーが到着

6.初めて乗る場合はセーフティードライバーが運転席に座ることがあるが、操作は行わない

7.スクリーンには周辺のリアルタイム道路状況が表示される

8.目的地に到着

自動運転バス

自動運転タクシーに比べ、自動運転バスは運行している都市が少ない。蘇州では少数の路線が無料で試験運行している。

指定路線の自動運転バスに乗ってみたが、運転席にドライバーが座っているものの、全行程でハンドル操作をせず、バスは時速30キロ程度を維持していた。

路線は約5キロで、10カ所ほどの交差点を通る。バス停や車の流れが多い車道などを通ったが、運行は安定していた。

無人物流輸送車

中国の無人物流ソリューション分野で有名な蘇州市内のJ社を訪問した。J社の無人物流車は4~5立方メートルの貨物を積載でき、道路の指定路線で無人輸送し、管理センターのスクリーンを通じて車の位置や走行状態をリアルタイムで監視できる。

J社は現在、中国の10都市以上で販売展開しており、顧客は主に物流会社だ。物流会社は無人物流輸送車を通じて都市の物流センターから各区、県のセンターに荷物を配送し、ドライバー不足の問題を解消している。

上記の応用実績は筆者の日本の友人や同僚に大きなインパクトを与えた。中国では強力な産業政策の支持の下で、自動運転の応用が急速に発展した。上記以外にも、無人清掃車、無人販売車など、自動運転はますます多くの分野でサービスを提供し始めている。

これらの実践が、中国だけでなく、多くの国の自動運転開発に価値を提供することを期待したい。(編集/CL)

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