日田市が新清掃センター建設の入札公告をやり直しへ 生ごみ受け入れで入札条件変更【大分県】

造成工事が進められている新清掃センター建設地=日田市山田町
生ごみや豚ふん尿を受け入れ、老朽化のため2026年度をめどに廃止する方針のバイオマス資源化センター=日田市清水町

 【日田】日田市は入札公告中のごみ焼却施設「新清掃センター」(山田町)建設について、公告をやり直す方針を固めた。1月25日に開始して7月1日から入札を受け付ける予定だったが、新たに生ごみを受け入れることとし、入札条件に変更が生じるため。公告後の延期は珍しく、2025年2月に再度、公告する。新センターの運営開始は28年1月から29年4月に遅れる見通し。

 現在、生ごみや豚ふん尿を処理している「バイオマス資源化センター」(清水町)は老朽化。過去2回、爆発事故を起こしたこともあった。

 市は15年度から、同センター廃止と代替処理策の検討を続け、廃棄物処理を担う市内3施設の機能を統合して豚ふん尿などをバイオマス発電に活用する構想「地域資源リサイクルシステム」を掲げた。

 生ごみと豚ふん尿は下水道終末処理場「浄化センター」(南友田町)と隣接するし尿・浄化槽汚泥処理施設「環境衛生センター」で受け入れる計画だったが今年3月、外部の試算でそれらを処理するための施設改修費が56億円、年間維持費が1億5千万円かかることが判明。構想を見直し、生ごみは新清掃センターに焼却機能を追加、豚ふん尿は各養豚業者で処理するという新たな方向性を打ち出した。

 バイオマス資源化センターは26年度をめどに廃止。新清掃センターが完成するまで生ごみは可燃物として収集し、現在の清掃センターで焼却するという。

 市は市議会6月定例会で、新清掃センターの入札条件変更に伴う調査費を盛り込んだ関連予算案を提案予定。椋野美智子市長は「今後10年で最終処分場の整備も必要で、構想を進めるには財政負担が大きい。関係する地元住民や事業者、市議会に丁寧に説明していく」と話している。

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