絶妙なバランス 鳴り石でアート 海岸で「ストーンバランシング」展 久保田さん(静岡市在住)

久保田さん(右)に教わりながら石を積み上げる来訪者

 琴浦町赤碕の鳴り石の浜で26日、石を積み上げてアート作品を作る「ストーンバランシング」の作品展が開かれた。制作したのは、石積み修業の旅をしながらストーンバランシングの魅力を発信している久保田武治さん(62)=静岡市在住。来訪者は絶妙なバランスで積み上げられた作品をスマートフォンで撮影したり、実際に挑戦したりするなどして楽しんだ。

 久保田さんとストーンバランシングとの出合いは約10年前。テレビ番組で見てやり始めたところ、すぐに夢中になり、気付くとライフワークになっていた。「石があれば、誰でもできるし、集中力も付く。うまく積むことができたときの気持ちよさがたまらない」と魅力を語る。

 5月初旬、修業の一環として静岡を出発した久保田さんは、景色が良くてストーンバランシングができる場所を求めて移動し、訪れた場所で作品を制作。これまでに愛知や三重、和歌山などを訪れ、さまざまな種類の石を積みながら技術を磨いている。同時に、現地の人や観光客と交流し、作品づくりを通じて魅力も伝えている。

 鳴り石の浜は40カ所目で、この日は朝から海岸で作品を制作。来訪者は見たことのない作品に目を丸くし、スマホで撮影していた。こつを教わりながらストーンバランシングに挑戦する人もおり、家族3人で訪れた兵庫県稲美町の足立直也さん(37)は「慣れるまで難しかったけど、集中したらできそうな気がした。子どもが大きくなったら一緒にやりたい」と笑顔を見せた。

 久保田さんは「石の積み方は無限にある。石の個性を生かしながら、ストーンバランシングに挑戦してほしい」と話した。

© 株式会社新日本海新聞社