ノーリツ 除菌、入浴サポートなどで価値売りを強化 給湯分野から社会課題の解決へ

ノーリツは、高効率ガスふろ給湯器「GT‐C72シリーズ」の拡販に注力している。除菌機能や入浴サポート機能を搭載し、給湯分野から衛生ニーズへの対応、入浴事故の対策、睡眠不足の解消といった社会課題の解決を図る。

ノーリツは、社会課題の解決を付加価値に加えた給湯器提案を強化している。その一環として23年7月に発売したのが、高効率ガスふろ給湯器「GT‐C72シリーズ」と無線LAN対応高機能リモコン「RC‐K001Wシリーズ」だ。「AQUA OZONE(アクアオゾン)」と「HIITO(ヒート)」という業界初の2技術が採用されており、除菌機能や入浴サポート機能の充実を図った。

「AQUA OZONE」とは、生成したオゾンをしっかりと水に溶解する独自技術のこと。衛生微生物研究センターによる試験で、このオゾン水に99%以上の除菌力があることを確認している。

「GT-C72シリーズ」は、ハイブリッド給湯器の「ユコアHYBRID-C」の熱源機にも対応。衛生ニーズに広く対応する

「GT‐C72シリーズ」は、この技術を活用したオゾン水除菌ユニットを搭載。浴槽の残り湯を抜くことでオゾン水がふろ配管と排水口を流れ、見えない部分のふろ配管を自動で除菌し、排水口までキレイにする仕組みだ。排水口のニオイ抑制効果にも期待できる。また、従来モデルの「GT‐C62シリーズ」にも搭載していたUV除菌ユニットも搭載。UV照射によって浴槽内のお湯を除菌できるもので、両ユニットによる「W除菌」システムによってキレイで安心な入浴体験を提供する。

衛生ニーズは特に子育て世代から高い支持を得る。「今後も除菌に対する意識は高止まりし、給湯器の付加価値の一つとして定着していくのではないか」(国内事業統括本部・マーケティング部・温水商品企画G 市原拓リーダー)とみている。

一方、「HIITO」は入浴による深部体温の変化を推測する人体熱モデル技術だ。「GT‐C72シリーズ」は従来の見守り機能に加え、「HIITO」を活用した2つの入浴サポート機能も備える。「ホッと湯上りモード」は、長湯によるのぼせ対策をサポートする機能。また、「あったか睡眠サポートモード」は、就寝予定時刻に合わせたおすすめの入浴開始時刻や入浴時間の目安をお知らせする。睡眠不足という社会課題に給湯分野から解決の糸口を提案した形だ。

ハイブリッド給湯器の販売台数が前年度比1.6倍に

同社はハイブリッド給湯器「ユコアHYBRID」も展開している。23年度の販売台数は前年度比で1.6倍に伸長した。

なかでも人気なのが「ユコアHYBRID‐C」だ。ハイブリッド給湯器は光熱費やCO2排出量などを大幅に削減できる一方、設置スペースが大きいことが導入の課題だった。しかし、「ユコアHYBRID‐C」は熱源機とタンクユニットを分離し、ヒートポンプユニットとの3ピース構成にすることで設置性を向上、集合住宅や狭小地に対しても提案を可能にした。特に既設向けの取り換え需要が年々増加しているという。熱源機には「GT‐C72シリーズ」もラインアップしており、衛生ニーズなどにも広く対応する。

国の補助金効果もあり、高効率給湯器は販売拡大のフェーズを迎えている。同社は今後、補助金の存在を広く周知するとともに、付加価値を切り口に更なる普及拡大を図っていく。

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