独VW、低価格EV開発へ 中国勢に対抗 2万ユーロから

[フランクフルト/ベルリン 28日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は28日、低価格の電気自動車(EV)を開発すると発表した。中国のライバル勢との激しい競争に打ち勝つことを目指す。

VWは欧州市場向けに約2万ユーロ(2万1746ドル)程度のEV開発を目指しており、2027年に世界で初公開する計画。

欧米勢と比べてコスト面で30%優位に立つ中国メーカーが欧州に進出し、市場シェアを獲得して、欧州老舗メーカーに攻め込む中、VWはこの「ID.1」と名付けたプロジェクトを進める。

プロジェクトでは、欧州での現地化に重きを置き、部品の輸送ルートが減ることで、温室ガスの排出量も削減するという。

VWは先週、欧州自動車業界が競争の脅威に備えるには2─3年かかるとし、さもないと業界の存続が危ぶまれると警告した。

その一環として同社は現在、VWブランドで100億ユーロ規模の節約およびコスト圧縮策を実施している。

VWブランド責任者のトーマス・シェーファー氏は、計画しているエントリーレベルのEVは低価格ではあるものの、テクノロジー、デザイン、品質面での基準を打ち立てるとし、エネルギー、原材料、人件費が上昇する中、これはさらに難しくなっていると述べた。

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