核兵器や感染症など国際的リスク 部局横断で研究 長崎大が来月センター設置 

 長崎大は28日、核兵器や感染症、気候変動などの国際的なリスクを部局横断で研究する「グローバルリスク研究センター」を6月1日に設置すると発表した。センター長には、国境問題に詳しい北海道大スラブ・ユーラシア研究センターの岩下明裕教授が就く。研究のほか、リスクに対処する政策を立案できる専門家や国際社会でリーダーとなる人材を育成する。
 長崎大は2022~27年度の中期目標・計画でプラネタリーヘルス(地球の健康)への貢献を宣言。本年度からのアクションプランでは、グローバルリスク、グローバルヘルス、グローバルエコロジーの三つのキーワードを据え、部局連携を加速させるとしている。
 長崎大の同センターは、このうちグローバルリスクの研究を担う。同大で継続してきた核兵器廃絶や平和教育の知見に加え、戦争や感染症、環境破壊などの多様なリスクについて、人文科学、社会科学、データ科学分野の研究者が連携し、共同研究や政策提言、人材育成に取り組む。
 副センター長を、熱帯医学・グローバルヘルス研究科の春日文子教授、多文化社会学部の西田充教授、核兵器廃絶研究センターの樋川和子教授が務める。各部局から参画する教員を募っている。26年度をめどに、博士課程設置も検討している。

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