佐野晶哉、『明日を綴る写真館』は「最高やなって」 平泉成との共演を語る特別映像公開

6月7日に公開される平泉成主演映画『明日を綴る写真館』の特別インタビュー映像が公開された。

本作は、あるた梨沙による同名漫画を実写映画化した人間ドラマ。年齢も考え方も全く違う“自分に素直になれない”という共通点を持つ2人が、人々の抱える“想い残し”のために奔走し、自分自身と向き合い、互いに影響し合いながら成長し、やがて思いもよらない奇跡を起こしていく。

80歳にして映画初主演となる平泉が、自身の趣味である写真撮影ともリンクするカメラマン役として、さびれた写真館を営む鮫島役を演じる。その鮫島に憧れるカメラマン・太一役には、Aぇ! group佐野晶哉が抜擢された。そのほか佐藤浩市、吉瀬美智子、高橋克典、田中健、美保純、赤井英和、黒木瞳、市毛良枝らがキャストに名を連ねている。

ファッション誌からのオファーが止まない気鋭のカメラマン・太一(佐野晶哉)。さびれた写真館を営むカメラマン・鮫島(平泉成)の写真に心を奪われ、弟子となった太一は、人々の抱える悩みや問題のために必死に奔走する鮫島に振り回されながらも、自分に足りないものに気付き始めて、心の成長を遂げていく。

公開された映像は、平泉と佐野への特別インタビューを収めたもの。初めて主演作を演じるにことについて平泉は、「60年、脇役ばかりをやってきたので、(オファーが)来た時は嬉しかったですね。台本を仏壇に飾って、親父とお袋に手を合わせました」と感無量な面持ち。

一方、その平泉と共演した佐野は「芝居が終わった後に『今の芝居がちょっとなぁ』とか『佐野君ごめんなぁ』と言ってくださって、58年先輩がそんな感じでいるので、現場の空気感が優しくて愛にあふれていて、楽しい撮影でした」と平泉の気さくな人柄に感嘆。さらに「60年やっても答えが見つからないような仕事だからこそ、役者って面白いんだよ」とも言われたという佐野は「80歳になっても芝居がしたい」と返答。「夢が広がるような素敵な出会いでした」と振り返った。

続いて、平泉は「本番中に芝居を投げると、それを非常にナチュラルに受け止めて投げ返してくれる」と佐野の自然体の演技を讃える。「(本編の佐野の)仕上がりを見たら、すごく良いんですよ。佐野君の芝居に、ほぼ80歳が泣かされて、胸がツーンと来ましたよ」と照れながら明かした。「先々(役者として)大きくなるんじゃないかな」とも述べ、佐野の役者としての将来性に太鼓判を押した。

本作のオファーがある2カ月前から、プライベートでカメラを趣味にしていたという佐野。「おじいちゃんのお墓参りに行った時に、おばあちゃんに『私の遺影を撮って』と言われ、紅葉の綺麗な山で写真を撮りました」と祖母とのエピソードを振り返った。本編では、佐藤浩市演じる牧が、亡き妻(吉瀬美智子)の葬儀の時に良い遺影が無かったことを後悔し、自身の遺影撮影のために写真館を訪れるエピソードがある。「この作品の中にもそういうシーンがあるので、クランクインする前におばあちゃんがそういうことを言ってくれて素直に嬉しかったし、この作品を通して“その人の今を残すことの大切さ”は痛いほど胸に染みているので、孫だからこそ撮れる元気なおばあちゃんの素敵な笑顔を、趣味になった大好きなカメラで撮れて良かったなぁって。カメラって良いなぁ、映画って良いなぁ、この作品最高やなってすごい感じています」と、この映画との巡り合わせをしみじみ語った。

(文=リアルサウンド編集部)

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