グーグル、「編集マジック」などのAI機能を「Chromebook Plus」に搭載

Googleは5月初めに開催した開発者会議Google I/Oで、新しい人工知能(AI)ツールと機能を披露した。そして今回、「Chromebook Plus」にAIを搭載した。これには、文章の作成を支援する「Help me write」や、写真を修正する「編集マジック」などが含まれる。また、全ての「Chromebook」を対象に、ゲームプレイの録画などを容易にする新たな「Game Dashboard」を提供するほか、顔やジェスチャーのトラッキング機能によって手を使わずに操作できるようにする予定だ。

Chromebook PlusはGoogleが2023年10月に発表した、Chromebookの新たな上位カテゴリー。同社は今回、新しいChromebook Plusに12カ月間の「Google One AIプレミアム」プランが付属することも明らかにした。同プランには、GoogleのAIチャットボット「Gemini Advanced」のほか、「Gemini in Gmail」「Gemini in Googleドキュメント」、2TBのクラウドストレージなどが含まれる。通常は月額20ドル(日本では2900円)のため、かなりのインセンティブだ。

Googleはニューヨーク開催したイベントで、Acer、HP、ASUSのChromebookとChromebook Plusの新モデルも発表した。さらに重要なことに、筆者は新機能の一部を試すこともできた。ここではGame Dashboardをはじめ、特に有望なものを紹介する。

Chromebookのゲーミング向けモデルはここ数年で大きく成長し、今回は「Acer Chromebook Plus 516 GE」などが登場した。これらは、高速Wi-Fiまたはイーサネット、より滑らかな映像のための120Hzディスプレイ、RGBバックライトキーボードを備えている。「Steam」をサポートしておりクラウドゲーミングに最適だが、「Google Play」ストアで多くのゲームが簡単に入手できる。

新たなGame Dashboardは、ゲーミングデバイスとしてのChromebookの価値を拡大する。例えば、タッチスクリーンの操作をキーボードのキーに割り当てる機能がある。また、スクリーンショットやゲームプレイ動画を簡単にキャプチャーして共有できる。ウェブカメラをオンにして、画面の隅でチャットしている様子を録画する機能もある。ゲームを開くだけでダッシュボードが表示される。

Game Dashboardは、Plusモデルだけでなく、すべてのChromebookで利用できる。すべてのChromebookで利用できるその他の新機能には、ホーム画面から1タップで「ToDoリスト」にアクセスできる機能、内蔵の画面キャプチャーツールを使ってGIF形式で保存できる機能、「Android」スマートフォンでQRコードをスキャンして新しいChromebookをセットアップできる機能がある。

特に印象的だったデモの1つは、全てのChromebookを対象とする今後のアップデートに関するものだ。このアップデートにより、「ChromeOS」にジェスチャーと顔のトラッキング機能が追加され、ハンズフリーで操作できるようになる。電子メールを書いたり、ウェブを閲覧したり、ゲームをプレイしたりと、OSやアプリをキーボードやタッチパッドなしで操作できるということだ。デモ参加者は頭の動きを使って、画面上でカーソルを素早く移動させ、笑顔でダブルクリックし、口を開けてカーソルを中央に戻した。まだ完成していないが、驚くほど優れている。

Chromebook Plusには、Gemini Advancedなど、新しいAI機能の多くが搭載される。Gemini Advancedは、文章作成、ブレインストーミング、グラフィック制作、画像生成、文書要約、コード記述などに役立つ。

デモの1つは、今後1年以内にChromebook Plusで提供予定の「Help me read」機能に関するものだった。この機能では、右クリックでウェブページやPDF文書の要約を生成し、フォローアップの質問をすることで、目的の情報を見つけることができる、デモは少し遅かったが、全体的に問題なく動作した。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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