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2024年5月25日と26日に中国の上海インターナショナルサーキットでフォーミュラE第11戦、第12上海E-Prixが行われた。実に4年ぶりとなる中国での開催だが、今年はF1でもお馴染みの上海インターナショナルサーキットが戦いの舞台となる。フォーミュラE初開催となる同サーキットながらコース幅の広いパーマネントサーキットということもあり、激しいバトルが随所で繰り広げられた。
第11戦はミッチ・エバンスが今季2勝目をマーク
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土曜日に行われた第11戦。決勝前に行われた予選ではジャン-エリック・ベルニュ(DS PENSKE)がポールポジションを獲得。フロントローには今季好調のオリバー・ローランドがつけた。目下チャンピオン争いを繰り広げているパスカル・ウェーレイン(TAG HEUER PORSCHE FORMULA E TEAM)は4番グリッドを獲得。ライバルであるニック・キャシディ(JAGUAR TCS RACING)が予選で振るわず10番グリッドからのスタートとなるが、僚友ミッチ・エバンス(JAGUAR TCS RACING)が3番グリッドをつけている。
29周で行われた決勝レースはスタートから全車ひとつの集団になる混戦のまま各車周回を重ねていった。常設サーキットでは特にバッテリーのマネジメントが露骨に行われることがあり毎周順位が入れ替わる展開となる中、レースを引っ張ったのがエバンスとウェーレイン。
エバンスがウェーレインとのバトルを繰り広げる中、確実に順位を上げてきたのがランキング首位のキャシディだった。レースペースが上がらず、混戦であるレース展開を利用し、電気エネルギーを節約しながらもポジションを上げることに成功。残り5周を切った段階で表彰台圏内の3位にまで浮上した。
キャシディがエバンスとウェーレインを攻略し、優勝を狙うと思われたが、チームからはエバンスを守るよう無線が飛び、4位以下の追撃からエバンスを守ることになった。キャシディの献身的な働きがある中、エバンスがウェーレインとのバトルに終止符を打つべく動く。
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ファイナルラップのターン1でアウトから豪快にウェーレインをパスしたエバンスは首位の座を守り切りトップチェッカーを受けた。エバンスはモナコに続き今季2勝となった。2位はキャシディの猛攻を防ぎ切ったウェーレイン。キャシディはライバルの先行を許したものの、3位を獲得し、ポイントランキング首位の座を守っている。
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明暗分かれたポルシェ・・・ウェーレインが痛恨のノーポイント
翌日曜日に行われた第12戦。午前中に行われた予選ではジェイク・ヒューズ(NEOM MCLAREN FORMULA E TEAM)がファイナルストフェル・バンドーン(DS PENSKE)を下し、今季初のポールポジションを獲得。なんと1000分の1秒差という近年稀に見る接戦を制してのポール獲得となった。
2位にバンドーン、3位アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(TAG HEUER PORSCHE FORMULA E TEAM)、4位には20-21シーズンの王者、ニック・デ・フリース(MAHINDRA RACING)がつけた。
タイトル争いの中心にいるジャガー勢はキャシディが5番グリッド、エバンスは6番グリッドとまずまずの位置につける中、ポルシェのウェーレインは13番グリッドスタートと予選で低迷。決勝での追い上げが期待された。
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前日より1周少ない28周で行われた第12戦。今回の主役はエバンス、キャシディでもウェーレインでもなくダ・コスタだった。
第11戦より周回数が少ないためレースは前日に比べ速いペースで行われた。ダ・コスタは序盤スタート順位である3番手を守りながら走っていたが、16周目のターン1でトップに浮上。
トップにたったダ・コスタは周回を重ねるごとに2位以下とのギャップを広げていき、トップの座を守り切り優勝、ベルリンに続き今季2勝目となった。
ポールポジションスタートのヒューズはノーマン・ナト(ANDRETTI FORMULA E)とのバトルを制し2位表彰台を獲得。フォーミュラE参戦2戦目にして初の表彰台獲得となった。3位のナトも今季初の表彰台獲得している。
ランキング首位のキャシディはレース中にヒューズとの接近戦によりフロントウイングにダメージを追うも最後まで走りきり4位でフィニッシュ。一方、タイトルを争うライバルたちにとって第12戦は厳しい結果に終わった。
ランキング2位のウェーレインは中断から上位進出を目指していたが、サム・バード(NEOM MCLAREN FORMULA E TEAM)と接触。この接触でパンクを喫してしまったウェーレインはピットインを強いられてしまった。レースに復帰するも20位でのフィニッシュでノーポイント。ここまでキャシディとは僅差での戦いが続いていたが、ここにきて25ポイントという大差をつけられてしまった。
残り4戦・・・タイトル争いは4人のドライバーに絞られた
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連続表彰台を獲得し、勢いに乗っていたローランドはここ中国では失速。第11戦では4位に入るも、第12戦では10位がやっとだった。そんなローランドを尻目に第11戦で優勝、第12戦では5位に入ったエバンスがローランドを抜きランキング3位に浮上している。
フォーミュラEシーズン10も残りあと4戦。アメリカ・ポートランドとイギリス・ロンドンのダブルヘッダーを残すのみとなった。ランキングはトップのキャシディが167ポイント、2位ウェーレインが142ポイント、ランキング3位エバンスが132ポイント、ランキング4位のローランドが131ポイントとなっている。
ランキング5位につけているディフェンディングチャンピオンのジェイク・デニス(ANDRETTI FORMULA E)が113ポイントでまだタイトルの可能性は残されているが、上位4名から離されていることを考えるとタイトル争いは現状ランキング4位以内のドライバーで行われる。
直近のレースではチームワークが光るジャガーは着実にポイントを積み上げているが、チームメイト同士のタイトル争いでもある。もちろんポートランドの結果次第だろうが、どのような判断が下されるのだろうか。
ポルシェはウェーレインがタイトルコンテンダーとして奮闘しているが、中国では波が激しい週末となった。チームメイトのダ・コスタが復調しているのは好材料だが、ダ・コスタのアシストはあるのかは不透明。現状ジャガー2台を相手にしなければいけないだけに、ウェーレインにとって厳しい戦いが続く。