「教諭の過失どう判断」8人死亡の那須雪崩事故 あす(30日)判決

とちぎテレビ

那須町で2017年、登山講習中の大田原高校の生徒7人と教諭1人が死亡した雪崩事故で、業務上過失致死傷の罪に問われた教諭ら3人の判決が30日、宇都宮地方裁判所で言い渡されます。検察側は「漫然と訓練を行い、過失は重大だ」として禁錮4年を求刑、弁護側は「雪崩の発生は予見できなかった」と無罪を主張しています。

起訴状によりますと、3人の教諭は2017年3月27日朝、前の日の夜からの積雪で雪崩発生を予想できたのに気象状況や地形確認などを怠り、急斜面で歩行訓練を行い雪崩に巻き込まれた8人を死亡、5人にけがをさせたとして業務上過失致死傷の罪に問われています。

2022年10月に始まった公判は17回にわたり、雪崩発生を予見できたのか、事故を回避するための安全確保の措置を講じたのかが主な争点となりました。

検察側は今年2月の論告で、現場は植生がまばらな急斜面で雪崩が発生しやすく、およそ30センチの新雪もあったことなどから危険性を知り得たと指摘しました。学校教育の一環で生徒の安全を最優先にするべきなのに情報収集を怠り、明確な訓練範囲を決めなかったとし「当たり前の安全対策をすれば事故を防げた」と述べ禁錮4年を求刑しました。

弁護側は最終弁論で、雪崩が発生する予見は不可能だったとし「安全な訓練のため必要な情報を収集し、範囲も定めて各班に伝えた。3人の行為と死傷事故に因果関係はない」と反論し無罪を主張しました。判決は30日の午後、宇都宮地方裁判所で言い渡されます。

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