「iPhone 17 Pro」用2nmチップの量産準備、順調に進行中か。TSMC幹部が自信の発言

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iPhoneやMac向けの独自チップを開発するアップルと、そのチップを製造する台湾TSMCとは二人三脚の関係にある。たとえアップルが優れたチップを設計したとしても、TSMCがそれに見合う製造ラインを用意できなければ、絵に描いたモチとなってしまう。

アップルは2025年の「iPhone 17 Pro」向け次世代2nmチップの設計を始めていると報じられていたなか、TSMCの責任者が同年に2nmでの量産が可能になると発言している。

工商時報など台湾メディアは、TSMCのプロセス開発担当副社長が「2nmプロセスの開発は順調に進んでいる」として「計画通り、量産は2025年頃に可能となる」と述べたと報じている。

なぜ、こうしたコメントをしているのか。それはTSMCがGAA(Gate-All-Around)技術の初採用にともなう技術的な課題により、2nmプロセスの本格的な量産を2026年まで延期する可能性があると噂されたからだろう。

GAAとは優れた制御により不要な電流の漏れを減らすことで、電力効率を向上させる技術。これによりトランジスタを密集して配置できるため、チップ性能を高めることにも繋がる。

TSMCは「GAA適用時の歩留まりは目標の90%に達している」として、噂を否定。つい先日、アップルのジェフ・ウィリアムズCOO(最高執行責任者)がTSMCを訪問していたが、初期2nm製造ラインの全量確保を話し合ったと推測されていた

「iPhone 15 Pro」は、TSMCの3nmプロセスで製造されたA17 Proチップを搭載。また新型「iPad Pro」に採用されたM4チップは、この3nm技術の強化版を使っている。いずれも、競合他社のデバイスが4nmチップに甘んじているなか、より多くのトランジスタを小さなスペースに詰め込むことで、高い性能と電力効率のアドバンテージを誇っている。

2025年のiPhone 17 Proが2nmチップに移行すれば、さらなる改善がもたらされるはず。TSMCは3nmチップと比較して、性能は10~15%向上し、消費電力は最大30%削減されると主張している

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