ジョコビッチ、20年連続の初戦突破! 25度目のグランドスラム制覇へ好発進も「まだ始まったばかり」[全仏オープン]

ジョコビッチが地元フランス選手を下して全仏オープン20年連続の初戦突破

現地5月28日、「全仏オープン」(フランス・パリ)シングルス1回戦が行われ、同大会を3度制している王者、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)が登場。ワイルドカード(主催者推薦)で出場のピエール・ユーグ・エルベール(フランス/同142位)を6-4、7-6(3)、6-4のストレートで下し、20年連続の初戦突破を果たした。

37歳のジョコビッチは、クレーコート・シーズン初戦となったATPマスターズ1000モンテカルロでは4強入りしたものの、ATPマスターズ1000ローマでは頭部に観客の水筒が直撃するハプニングが影響したか、3回戦で敗退。試合数を重ねるため、今大会の前週に急遽ATP250ジュネーブに出場した。しかし、そのジュネーブでも世界44位の伏兵に敗れて4強止まり。2018年以来となるタイトル獲得のないまま今大会を迎えた。

全仏オープンは、2005年の初出場から20年連続20度目の出場。「クレーコートではここをピークに迎えたいとずっと言ってきた。もちろん今年に入ってから5ヵ月間、テニスがうまくいっているとは言えない。だからこそ今大会で上位を狙えるようにフォームや勢いをつけることに日々集中している」と、男女通じて史上最多25度目のグランドスラム優勝を狙う。

初戦の相手は、現在142位ながらも2019年には36位を記録しているエルベール。第1セット序盤から早いタイミングでボールをとらえ、ネットプレーを交えてプレッシャーをかけていく。だが、ジョコビッチも焦らず対応。丁寧にコースを突いて第3ゲームでブレーク。このリードを保って、6-4で先取する。

第2セットでも第1ゲームでジョコビッチがストローク戦で揺さぶり先にブレークしたものの、地元フランスの応援を背にプレーするエルベールにすぐさまブレークバックされる。流れに乗れない時間が続いたが、それでもタイブレークを制して7-6(3)と2セットアップに。最終セットは、サービスゲームを順調にキープしてリズムを取り戻し、セット終盤の第10ゲームでチャンスを握ると最後はエルベールがダブルフォールト。6-4とストレートで試合を締めて20年連続の初戦突破を果たした。

試合後には、「モンテカルロ、ローマ、ジュネーブは僕にとってとてもいいスタートだった。最初の試合は良かったんだけど、2、3試合目は全然違った。だからあまり興奮したくない」と勝利を過度に喜ばず、控えめに語ったジョコビッチ。

「堅実でいいパフォーマンスだったと思う。リターンゲームではもっといいプレーができたと思うけど、彼のサーブは良かったし、変化もつけていた。僕が(リターンの位置を)後ろに下げるたびに、それを見て前に来たことも評価したい」と一歩もひるむことなくプレーを続けていたエルベールを称えた。

「まだ始まったばかり」と気を引き締めて戦うとし、「願わくば、もう一度ここで勝ち上がっていきたい」と勝利を欲した。

2回戦ではロベルト・カルバレス・バエナ(スペイン/同63位)と対戦する。

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