中国飲食ブランド、海外で大人気

中国飲食ブランド、海外で大人気

東京にあるCOTTI COFFEE早稲田戸山キャンパス店。(資料写真、東京=新華社配信)

 【新華社北京5月29日】イタリア・ミラノの街角で撮影されたショート動画がこのところ、インターネット上で話題となっている。動画には、中国の茶系飲料チェーン「CoCo都可(ココトカ)」や串揚げチェーン「夸父炸串」「喜姐炸串」などの店が軒を連ねて独特の景観を呈し、ひっきりなしに訪れる外国人観光客が中国グルメの魅力を味わう様子が映っている。中国のネットユーザーからは「外国人が中国を旅行しているのかと思った」「中国グルメが世界を征服した」などのコメントが相次いだ。

 イタリア以外に日本もまた、中国の飲食ブランドにとって重要な海外進出先となっている。コーヒーチェーン「庫迪咖啡(COTTI COFFEE)」 、四川風火鍋チェーン「海底撈(ハイディラオ)」、北京ダックで有名なレストランチェーン「全聚徳(ぜんしゅとく)」、アイスクリーム・茶系飲料チェーン「蜜雪氷城(MIXUE)」などの有名ブランドが日本に進出。市場の一角を占めるまでになり、消費者に多様な飲食の選択肢を提供している。

 例えば新興コーヒーブランド「COTTI COFFEE」は2022年10月、福建省福州市に1号店を出店。その後、1年足らずで日本1号店を出店した。今や東京や大阪などに8店舗を構えるまでになり、著しい成長を見せている。同社によると日本市場では伝統的なスタイルのコーヒーが好まれる一方、独特の風味を持つラテの人気も高いことがうかがえるという。中でも看板商品のココナツラテシリーズは、新鮮な体験を求める多くの若い消費者を魅了することに成功した。X(旧ツイッター)では、日本のネットユーザーが「COTTI COFFEEのココナツラテが好き過ぎる」「ずっと飲んでみたかった池袋のCOTTI COFFEE、安くて量あって美味い」などと投稿している。

 同社の関係責任者は新華社の取材に対し、COTTI COFFEEが日本市場をいち早く開拓でき、消費者に認知された理由は主に飲み物の品質とコストパフォーマンスの高さにあると回答。豊富な商品ラインナップや専門性の高い商品開発、継続的な商品刷新、趣向を凝らしたブランドマーケティング、若者向けのおしゃれなブランド体験などが、ブランド独自の競争力を生み出したと語った。同社は日本市場により良いサービスを提供するため、日本に支社を設立し、サプライチェーン(供給網)や店舗の管理運営、倉庫保管、物流システムを統括している。

 米事業用不動産サービス大手CBREが22日に発表した「2024年中国小売業調査:世界的な視点から見た海外店舗展開」と題する報告によると、中国本土の小売・飲食ブランドは世界戦略の歩みを速めており、ブランドの国際的な影響力拡大を狙う新たな「海外進出ブーム」が始まっている。

 また、中国飲食ブランドは奥深い文化と独特のグルメの魅力により、海外での人気も年々高まっている。米調査会社のフロスト&サリバンのデータ分析によると、海外での中国式飲食の売上高は21年時点で2611億ドル(1ドル=約157円)と、世界の飲食市場全体の9.9%を占めた。26年には4098億ドルに上る見通しだとしている。(記者/許芸潁)

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