ヒップドロップタックル禁止を喜ぶレイブンズTEアンドリュース、TEライクリーとのタッグに期待

ボルティモア・レイブンズのマーク・アンドリュース【AP Photo/Alex Brandon】

昨年の状況からお気づきかもしれないが、今はタイトエンド(TE)の時代だ。

歴史書はこの現実を軽視し、この世代で最高の選手であるTEトラビス・ケルシーの物語のみを取り上げるだろう。しかし、バッファロー・ビルズが2023年ドラフト1巡目でTEダルトン・キンケイドを指名し、翌年のドラフト1巡目でラスベガス・レイダースがTEブロック・バワーズを選択したことが示すように、各チームのオフェンスはタイトエンドによって優位性を作り出そうとしている。このポジションは2024年以降、大いに注目されるはずだ。

ボルティモア・レイブンズもその一例にあたる。過去5年にわたってTEマーク・アンドリュースに大きく依存してきたレイブンズだったが、アンドリュースがケガで離脱した後、同じポジションで新たに頼れる選手がいることに気づいた。その選手とはアイザイア・ライクリーのことだ。

攻撃コーディネーター(OC)トッド・モンケンの新しいスキームの一環として、2024年には2人が一緒にフィールドに立つ姿がもっと見られるだろう。昨シーズンにはクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンがそのスキームの中でNFL MVPを獲得している。

レイブンズの公式記録によると、アンドリュースはレイブンズが12パーソネル(2タイトエンドセット)をより多用することについて、次のように語ったという。

「すごいことになる。ダイナミックな選手が2人いると、フィールド全体でミスマッチが生まれる。それは俺たちがどこに配置されても関係ない。対策を立てるのは難しいと思う。俺たちは2人とも、フットボールをプレーするのが大好きで、競争するのも大好きだ。楽しいことになりそうだ」

「本当に、うちのタイトエンド陣は全体的にすごいんだ。とても楽しみだ。毎日のように成長して、さらに良くなろうとしている。今のタイトエンド陣に感謝しているし、これからももっと良くなっていきたい。だから、自分たちがどう使われるのかを見るのが楽しみだよ」

昨シーズンにアンドリュースの代役として活躍したライクリーは、シーズン第12週から第18週までにレシーブ21回で322ヤード、タッチダウン5回をマーク。タイトエンドとしてレイブンズのトップオプションに位置づけられた。それまでは目立たない存在だったライクリーだが、これからもその匿名性を維持するのは不可能だろう。

レイブンズの公式記録によれば、ライクリーは現地28日(火)にこうコメントしたという。

「自信がついてきたと思う。確実に試合のペースがゆっくりに感じられるようになったんだ。その瞬間に至るまで、オフシーズンを通じて費やしたすべての努力と準備が報われる時が来たっていう感じだったね」

レイブンズのスタッフたちはライクリーの飛躍的な成長によって、アンドリュースのケガ以前にはまだ活用できていなかった潜在的なスキームと人材の優位性に気づいたようだ。今や、レイブンズはそれを最大限に活用する準備が整っている。

アンドリュースは「NFL全体で見られることだけど、タイトエンドというポジションはどんどん成長している」と話し、次のように続けた。

「タイトエンドはフィールド上で最高のアスリートであり、大きくて背が高く、強くて、パスをレシーブすることもできる。自分たちができることにとても満足しているし、それをさらに成長させていくつもりだ。もちろん、俺やアイゼイア・ライクリー、それに他の選手たちも含めてね。きっと楽しいことになる。そのために戦略を練りながらプレーするのも楽しみだ。知っての通り、うちにはラマー・ジャクソンがいるし、彼はタイトエンドが好きなんだ。だから、彼のためにオープンになるつもりだ」

アンドリュースが来たるシーズンで直面する最大の課題は、スキームや起用法とは関係ないだろう。アンドリュースが必要なのは健康を維持することであり、これは過去に苦労してきた点だ。

アンドリュースにとって幸運なことに、NFLはアンドリュースを含めた多くのボールキャリアを守るためにヒップドロップタックル——2023年にアンドリュースのケガの原因となった——を禁止した。これに対して一部の元選手たちは不満を示している。

アンドリュースは当然のことながら、この処置が最善だと考えており、火曜日にこうつけ加えた。

「時にはそれもゲームの一部だと思う。俺はいつでも、ゲームを安全にすることに賛成だ。ここ5年ほどを振り返ると、そのタックルで大きなケガがたくさん起こっていた。だから、こういうタックルに対する注意喚起はいいことだと思う。選手たちが健康を維持するのは素晴らしいことだし、あのタックルをゲームから排除することは悪いことではないと思う。ディフェンスはそれに対応する方法を見つけられると思うよ」

各チームのディフェンスはレイブンズの2タイトエンドセットを止める方法も見つけなければならない。あるいは、アンドリュースとライクリーが思い通りにプレーすると、ディフェンスは日曜日ごとに2人を後ろから追いかける羽目になるだろう。

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