新車で購入したアルファードを「旅行に行くから貸してくれ」と言う義父。身内だし貸すべきですか?

新車を身内に貸すべき?

車を貸すことには、後述するように事故のリスクや保険適用の問題があります。また自分が車を使えなくなったり、クリーニングの手間がかかったりなどといったデメリットも生まれます。

そのため「貸したくない」「非常識」と感じるとしても自然なことです。その一方で、相手には「レンタカー費用を抑えられる」などのメリットがあるため、今後のことを考えると悩みどころに思えるかもしれません。

相手との関係性や使い方によっては、貸してもよいと思えるケースもあるでしょう。新車を貸すべきか否かを決定する際の、基本的な検討ポイントをご紹介します。

新車を身内や他人に貸し出す場合の注意点

新車に限らず、他人に車を貸すときにはさまざまなことに気を使います。多くの人は「事故のリスクや保険の対象」などについて特に心配するかもしれません。覚えておくべき代表的なポイントをご紹介します。

保険が適用される範囲

車の保険は大きく「自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)」と「任意保険」に分けられます。「自賠責保険」は、契約者以外が運転しても保険適用の対象です。

一方「任意保険」については、契約内容によって保険の適用可否が変わるため注意が必要です。

提供されているプランの中には、契約者本人にのみ適用する「本人限定特約」や、夫婦に適用する「本人・夫婦限定特約」など、一部の人を被保険者とするものがあります。

あるいは「21歳以上は補償」など年齢により適用対象を決める特約もあります。契約内容によっては貸し出す相手に適用されないおそれがあるため、契約内容の確認が必要です。

いずれにせよ、相手がドライバー保険(他人の自動車を借用した際の事故を補償する保険)や「他車運転特約」がついている保険に加入していない場合は、1日単位で契約できる任意保険に加入してもらうよう相談したほうが賢明といえます。

操作方法や操作感覚の「ズレ」

アルファードは、比較的大きな車種です。もし、サイズが大きく異なる車を普段運転している相手に貸し出す場合、操作感覚の違いに戸惑うかもしれません。いつもよりも車高が高くて視点に違和感を覚えるとか、全長が長くてバックが難しいといった具合です。

また慣れない車だとシフトやブレーキ、各種スイッチの動かし方がよく分からないこともあります。貸し出す際は操作方法について入念に説明するとよいでしょう。

レンタカーを借りた場合の相場はいくら?

自分の車を貸す代わりに、相手にレンタカーを借りてもらった場合、相場はおおよそ以下の通りです。

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・6時間:1万円~1万7000円
・12時間:1万円~2万2000円
・24時間:1万4000円~2万7000円
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レンタカー会社や借りるタイミングなどによりレンタカー料金は変わります。いずれにしても身内から車を貸してもらえることで、旅費は大幅に下がる可能性があります。車を貸すか検討するときは、相手側に費用面のメリットがあることも考慮するとよいでしょう。

車の貸し出しはリスクを踏まえて慎重に

車を貸してくれるよう頼まれたときは、事故のリスクや保険の適用などを踏まえて慎重に判断する必要があります。自身の保険適用範囲の確認はもちろん、貸し出す相手が必要な保険に加入しているかどうかについても確認したほうがよいでしょう。

また今回のケースのアルファードのように、比較的サイズ感の大きい車種だと、人によっては操作が少し難しいことも考えられます。

一方、「レンタカー代が浮かせられる」など、貸すことによる相手側のメリットを考慮することも大切です。リスクや相手との関係性を比較しつつ、貸すかどうかの判断を下すとよいでしょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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