長谷部を「越えていきたい」 浦和MF伊藤敦樹が“継承”…ルーキーイヤーは背番号「17」

浦和の伊藤敦樹【写真:徳原隆元】

浦和時代に長谷部氏が付けた「17」は「嬉しい気持ちだった」

浦和レッズのMF伊藤敦樹は、先日現役を引退した浦和OBで元日本代表MF長谷部誠氏について「目標とする存在」と話した。

地元出身の伊藤は浦和の下部組織で育ち、流通経済大学を経て2021年に浦和入りした。その時につけた背番号「17」は長谷部氏が浦和時代につけていたものであり、幼少期にスタジアムで見て育った存在のもの。それだけに、「レッズにいた時や、代表や海外でのプレーもファン目線で見ていたので最初に17番をもらった時は嬉しい気持ちだった。いろいろな選手がつけたけど、自分の中では長谷部さんのイメージが強かった」と話した。

長谷部氏は藤枝東高校から2002年に浦和へ加入すると、2年目の03年にはレギュラーを獲得。クラブ初タイトルとなったヤマザキナビスコ杯(当時)の優勝から天皇杯の2回優勝、クラブ史上初のリーグ優勝とAFCチャンピオンズリーグ(ACL)初制覇の原動力となり、その後はドイツで長くキャリアを積んだ。引退会見を終えた後、5月26日の古巣の浦和がFC町田ゼルビアと戦ったゲームの観戦にも訪れていた。

そうした浦和の黄金期を築いた中心選手だけに、伊藤は「レッズで素晴らしい功績を残された方で、目標とする存在だし、越えていきたい」と話しつつも、「越えると言ったけど簡単ではないのは分かっている」と笑みを浮かべた。

そして、プレーの部分では「レッズにいたときは攻撃的なイメージだけど、代表ではボランチで攻守に欠かせない選手の印象だった。ドリブルで持ち上がっていくところや、守備でも危険なところを摘んでいくのは同じポジションだし目指したい」と話す。5月6日の横浜F・マリノス戦では、中盤からドリブルで持ち上がってそのままミドルシュートを決めた。長谷部氏の浦和時代に決めたいくつかのゴールを連想させるようなものだった。

浦和のサポーターからは、ルーキーイヤーに17番をつけたこともあり長谷部氏のチャントを受け継いで応援されている。今は浦和の下部組織や流経大の先輩でもあるDF宇賀神友弥から「3番」を受け継いでいるが、プレーの部分では長谷部氏の後継者と誰もが認めてそう呼ばれるほどの活躍を見せる姿が期待される。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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