お前の怒り“MAD”を解放しろ『マッドマックス:フュリオサ』公開直前特集! 注目ポイント&制作秘話

「マッドマックス」サーガの創始者ジョージ・ミラー監督の最新作『マッドマックス:フュリオサ』がいよいよ日本公開を迎えます。世界を熱狂させた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でシャーリーズ・セロンが演じた大隊長フュリオサの“怒りの原点”とは? この夏はアドレナリン全開で“MAD”な世界へ!

▶︎『マッドマックス:フュリオサ』関連記事はこちら

怒りの炎、砂漠を焦がす 『マッドマックス:フュリオサ』特集 - SCREEN ONLINE(スクリーンオンライン)

フュリオサの〝怒りの原点〞が明かされる

「マッドマックス」サーガの30年ぶりの新作として世界中で熱狂的なファンを生み出し、第88回アカデミー賞で最多6部門を受賞するなどアクション映画としては異例とも言える圧倒的な高評価を受けた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。

それから9年、シャーリーズ・セロンが演じたサーガ最強の戦士フュリオサの知られざる過去─ “怒りの原点”が今ついに明かされる。

世界崩壊から45年、バイカー軍団によって“緑の地”から連れ去られ、人生のすべてを奪われた若きフュリオサ。改造バイクで絶叫するディメンタス将軍と鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーが覇権を争う“MAD”な世界で、フュリオサは故郷への帰還と復讐を誓う。生き残れるのは、狂った奴だけ。

監督を務めるのは「マッドマックス」サーガの創始者であり、シリーズ全てを手掛ける巨匠ジョージ・ミラー。若きフュリオサ役に『デューン 砂の惑星PART2』や『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』など話題作に欠かせない存在のアニャ・テイラー=ジョイ。対する宿敵ディメンタス将軍役には、マーベル・ヒーロー“ソー”役でおなじみのクリス・ヘムズワース。

アニャ・テイラー=ジョイ&クリス・ヘムズワース、『マッドマックス:フュリオサ』を通して深めたお互いへの信頼と尊敬を語る【今月の顔】 - SCREEN ONLINE(スクリーンオンライン)

また日本語吹替版にも豪華キャストが集結。フュリオサ役には、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」空条徐倫役などのファイルーズあい。ディメンタス将軍役にはクリス・ヘムズワース演じるソーの吹替としても知られる三宅健太。

MAD〈狂気〉に満ちた世界「マッドマックス」サーガとは?

現在79歳の偉大なる巨匠ジョージ・ミラー監督が創り上げた「マッドマックス」サーガ。その始まりを告げたのは1979年に公開された一作目『マッドマックス』。

暴走族が支配する終末世界の革新的な描写、スタントマン死亡説が飛び出すほど迫真のカーアクションは大きな話題を呼び、その後3部作としてシリーズ化。主人公マックスを演じたメル・ギブソンの出世作となり、特に『マッドマックス2』(1981)は漫画「北斗の拳」などに多大な影響を与えた作品としても有名になった。

そして3作目『マッドマックス/サンダードーム』(1985)から30年、満を持して放たれたのが2015年の第4作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサ

キャストは一新され、主人公の元警官マックス役のトム・ハーディ、女戦士フュリオサ役のシャーリーズ・セロンによってサーガが再起動。二人が繰り広げる自由と生き残りをかけた逃避行は破格の熱狂を呼び、第88回アカデミー賞で最多6部門を制覇、日本でも応援上映やリバイバル上映が繰り返し行われるなど世界中で社会現象を巻き起こした。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はなぜ〝伝説〞となったのか? - SCREEN ONLINE(スクリーンオンライン)

そんな「マッドマックス」サーガの最新作となるのが『マッドマックス:フュリオサ』。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のもう一人の主人公フュリオサの若き日を描く物語であり、同作に直接つながる物語。本作のラストシーンによって初めて“怒りのデス・ロード”が完成する。

【初回限定生産】
マッドマックス 怒りのデス・ロード コレクターズ・エディション〈4K ULTRA HD& ブルーレイセット〉(3枚組/豪華封入特典付)

発売中 8,580円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント

©2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『マッドマックス:フュリオサ』をもっと楽しむための注目ポイント&制作秘話

”怒りの戦士”フュリオサの新たな物語を描く『マッドマックス:フュリオサ』。その世界観をより深く理解し、楽しむための8つの注目ポイントと制作秘話を紹介!

フュリオサの“謎のピース”が埋まる

POINT 1|『怒りのデス・ロード』へと直結する物語

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(以下『怒りのデス・ロード』)でシャーリーズ・セロンが演じ、“真の主人公”として圧倒的な人気を獲得した戦士フュリオサ。本作では『怒りのデス・ロード』へと直結する、彼女の10歳から26歳までの出来事が描かれる。

前作では語られなかった彼女の過去が明らかになり、謎のピースが埋まっていくような感覚を味わえるのが本作の醍醐味。なぜ彼女は故郷から引き離されたのか。なぜその片腕は義手なのか。なぜイモータン・ジョーのもとで働くことになるのか。『マッドマックス:フュリオサ』(以下『フュリオサ』)を観ることで『怒りのデス・ロード』が本当の意味で完成する。

フュリオサの物語は『怒りのデス・ロード』の製作前から存在

フュリオサの過去が映画で描かれるのは今回が初めてだが、その物語は実は『怒りのデス・ロード』が作られる前から存在していた。ジョージ・ミラー監督はこの長年の構想について「『怒りのデス・ロード』を作るには、その世界について熟知している必要があった。だからそれを作る前に、フュリオサの物語を書かなければならなかった。そのときに、もし『怒りのデス・ロード』がある程度の人気を得ることができれば、いずれはこの物語を作ろうと思ったんだ」と明かしている。

このときできたフュリオサの脚本は『怒りのデス・ロード』製作当時からキャストにも共有され、シャーリーズ・セロンも役作りの参考にしていたという。

アニャ・テイラー=ジョイの“目”の熱演

POINT 3|フュリオサの複雑な感情を言葉ではなく目で語る

若きフュリオサを演じるのは近年のハリウッドの話題作に引っ張りだこの注目女優アニャ・テイラー=ジョイ。主演を務めたドラマ「クイーンズ・ギャンビット」、『ラストナイト・イン・ソーホー』(2021)や『ザ・メニュー』(2022)などこれまで数々の作品で名演を見せてきたが、今回彼女に課せられたのは、フュリオサの感情をほとんど目だけで表現すること。

家族と引き離されたフュリオサは心を硬い殻で覆い、あまり言葉を発しなくなるからだ。しかしその心の奥では、苦悩や絶望、壮絶な怒りといった複雑な感情が渦巻いている。そうした思いを、説得力をもって目で伝えるアニャの演技はまさしく圧巻。

映画史に残る15分間の怒涛のアクション

POINT 4|大型車ウォー・タンクで息を呑むアクションが展開

『フュリオサ』の最大の見せ場の一つが、15分間にも及ぶノンストップのアクションシーン。『怒りのデス・ロード』にも登場した超大型車ウォー・タンクを舞台に息を呑むカーアクションが繰り広げられる。

その凄まじさは実際に映画で体感してもらうとして、アニャ・テイラー=ジョイによれば、このシーンは「撮影した中で一番長いシークエンス」。なんと200人ものスタントマンを動員し、78日間もかけて撮影したという。キャストやスタッフたちはこの壮大なシーンを「Stowaway to Nowhere(行くあてのない密航者)」と呼んでいたとか。この一連のアクションにフュリオサの強さや知性が凝縮されているのもポイント。

アニャの起用はエドガー・ライト監督がきっかけ

アニャ・テイラー=ジョイがフュリオサ役として起用されるきっかけを作ったのは『ラストナイト・イン・ソーホー』でアニャと仕事をしたエドガー・ライト監督。

ライト監督とジョージ・ミラー監督は元々友人同士で、『ラストナイト・イン・ソーホー』の初期カットを観てアニャの魅力に惹きつけられたミラー監督は、ライト監督を通じてアニャに連絡。そして『フュリオサ』のオーディションへの参加を打診したという。

このサーガの大ファンだったというアニャにとってはまさに夢のオファー。アニャはオーディションで映画『ネットワーク』(1976)のスピーチのシーンを披露し、見事に役を勝ち取った。

クリス・ヘムズワースの“声”に注目

POINT 6|これまでのイメージを一変させる怪演を見せるクリス・ヘムズワース

フュリオサをさらうバイカー軍団を率いるディメンタス将軍を演じたクリス・ヘムズワース。この役を演じるにあたってクリスが心を砕いたのが、カリスマ的な悪役にふさわしい“声”を見つけ出すことだった。

マーベル・ヒーローのソーを演じた際には、ケネス・ブラナー監督とともに静かで落ち着きのあるソーの声を開発したクリス。今回はそれとは対照的な、不愉快かつ攻撃的な声を生み出そうと試行錯誤し、カモメの鳴き声や競馬実況の声、古い映画の台詞の言い回しなどをヒントとしてディメンタス将軍の独特な声を創りあげていった。これまでのイメージを一変させるクリスの怪演と声の表現は必見。

新旧の個性豊かなキャラクターが登場

POINT 7|警護隊長ジャック(写真中央)が重要な役割を担う

主人公のフュリオサだけでなく『怒りのデス・ロード』に登場した個性豊かなキャラクターたちのそれぞれの“起源”を観ることができるのも本作の見どころ。支配者イモータン・ジョーやその息子リクタス、人食い男爵や“医者”のオーガニック・メカニックといったキャラクターたちの過去もこの映画で確かめることができる。一瞬しか登場しないキャラクターもいるので、画面から目を離さないように。

また重要な役割を担う新キャラクターたちも登場。特にトム・バークが演じる警護隊長ジャックはフュリオサの人生に大きな影響を与える存在。アニャは彼のことを「荒野に咲く珍しい花のような存在」と表現している。

シ ャーリーズ・セロンもアニャを支持

ジョージ・ミラー監督は当初、『怒りのデス・ロード』でフュリオサを演じたシャーリーズ・セロンが本作でもフュリオサを演じられるよう、デジタルによる「若返り技術」の使用を検討していた。しかしこの技術がまだ自分の求める水準に達していないと判断し、最終的には断念。

これに誰よりショックを受けたのが、役に強い愛着を持っていたシャーリーズ・セロン。「胸が張り裂けそう」だと率直な思いを明かしつつ、それでも監督の判断を尊重。アニャ・テイラー=ジョイが若きフュリオサを引き継ぐことに「これ以上の女優はいない。彼女なら絶対に大丈夫」と太鼓判を押している。

キャラクター紹介

主人公

フュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)

幼い頃に「緑の地」からさらわれ、ディメンタス将軍率いるバイカー集団の手に落ちる。のちにイモータン・ジョーのもとで大隊長を務める。

宿敵

ディメンタス将軍(クリス・ヘムズワース)

バイカー軍団のリーダー。残忍だがカリスマ性も併せ持ち、イモータン・ジョーと覇権争いを繰り広げる。クマの人形を常に携えている。

警護隊長

ジャック(トム・バーク)

イモータン・ジョーの警護隊長であり、巨大車両ウォー・タンクの運転手。ディメンタスに立ち向かい、フュリオサと心を通わせていく。

支配者

イモータン・ジョー(ラッキー・ヒューム)

水やガソリンなど貴重な資源を牛耳り、独裁社会を築く支配者。ウェイストランドの砦シタデルに君臨し、ディメンタス将軍と敵対する。

兵士

ウォーボーイズ

イモータン・ジョーを崇拝する白塗りの兵士たち。名誉の戦死を遂げることで転生できると信じさせられているため、命知らずで好戦的。

▶︎『マッドマックス:フュリオサ』関連記事はこちら

『マッドマックス:フュリオサ』
2024年5月31日(金)公開
アメリカ=オーストラリア/2024/2時間28分/配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ジョージ・ミラー
出演:アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース

©2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

© 株式会社近代映画社