中国の物流用ドローン、高い成長性 業界関係者

中国の物流用ドローン、高い成長性 業界関係者

7日、商品を積んで湖南省長沙市長沙県の上空を飛行するドローン。(ドローンから、長沙=新華社記者/陳思汗)

 【新華社深圳5月29日】中国ではドローン運用が物流システムを再構築し、業界の発展に新たな余地を作っている。中国の宅配量は現在、毎日4億6千万件となり、この先数年で10億件に達するとみられる一方、配達員数は過去10年間、400万人余りで推移し続けており、末端の配送にかかる圧力が高い。宅配大手の順豊控股(SFホールディング)と電子商取引(EC)大手・京東集団(JDドットコム)傘下の京東物流(JDロジスティクス)だけみても、それぞれ百万機のドローンを必要としているという。国家郵政局政策法規司の靳兵(きん・へい)元副司長が26日まで開催されたドローンの展示会「第8回世界ドローン大会」で明らかにした。

 中国の宅配量は10年連続で世界一を維持し、2023年は前年比19.4%増の1321億件、売上高が14.3%増の1兆2千億元(1元=約22円)となった。

 靳氏によると、SFホールディングやJDロジスティクス、中国郵政集団などはドローンによる物流を試験展開している。例えば、SFホールディングは粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア)で、同一都市に2時間以内に配達する「同城即時送」、他都市(港湾の対岸を含む)に4時間以内に配達する「跨城跨海急送」のサービスを展開し、深圳の複数のエリア、広東省の中山、珠海、東莞などの都市に対象を広げている。

 中国郵政集団傘下の研究機関、郵政科学研究計画院・郵政研究所の徐如衛(じょ・じょえい)所長は、会期中に開催されたドローン物流配送応用フォーラムで、中国は9都市(上海市金山、山東省東営、安徽省安慶など)に試験拠点、11都市に試験エリア(浙江省杭州、河南省安陽、四川省自貢など)の設置を認可し、応用の範囲を定めていると紹介した。ドローン物流は20年以降、急成長を遂げている。例えば、深圳は23年、物流用ドローンの大規模運営を実現し、77路線を新規開通させるとともに、離着陸場所73カ所を新設し、飛行回数は全国一を誇る延べ60万回に達した。

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