「空飛ぶタクシー」が現実に?北京から雄安・天津への通勤航路の開設を計画―中国メディア

SF映画の「空飛ぶ車で構成される低空立体交通網」というシーンは単なる想像ではなくなるかもしれない。なぜなら中国の多くの地域ですでに有人低空交通の大規模な試みが行われているからだ。

SF映画の「空飛ぶ車で構成される低空立体交通網」というシーンは単なる想像ではなくなるかもしれない。なぜなら中国の多くの地域ですでに有人低空交通の大規模な試みが行われているからだ。北京市経済・情報化局はこのほど、「北京市の低空経済(低空域飛行活動による経済形態)産業の質の高い発展の促進に関する行動案(2024-2027年)」について意見公募を行っている。北京は空の移動手段や都市間通勤などの応用シーンの構築をめぐり、周辺地域向けの低空航路を3本以上開設させる計画だ。

そのため、数年もしないうちに、「空飛ぶタクシー」や「空飛ぶフードデリバリー」が夢ではなくなるかもしれない。

この意見募集稿の中で、北京は緊急救助、物流配送、都市間通勤などの応用シーンの構築を巡り、「周辺地域向け」の低空航路を3本以上開設させ、3年で北京の1000億元(1元は約21.6円)以上の経済成長を牽引するとしている。

北京は低空経済の新業態・新モデルの模索を急ぎ、低空経済の牽引モデルとその波及効果を大幅に高めるとしている。また意見募集稿は次の具体的な発展目標を設定している。それは3年間で低空経済関連企業数を5000社以上にし、低空技術サービスの全国カバーを実現し、低空産業の海外と国内における影響力とブランド認知度を大幅に高め、さらには技術イノベーションや応用の需要などの分野で全国の牽引モデルとなり、全市の1000億元以上の経済成長を牽引するというものだ。

意見募集稿はさらに、北京市は2027年までに緊急救助、物流配送、空の移動手段、都市間通勤、特色文化観光などをめぐり10以上の応用シーンを追加し、周辺地域向けの低空航路を3本以上開設し、ネットワーク化されたインフラシステム及び低空応用エコシステムをほぼ完成させると打ち出している。都市間通勤の面では、大興国際空港と雄安新区、首都国際空港と天津や廊坊などの地域の通勤航路を構築し、「分割型空飛ぶ車都市間通勤+市内の移動手段」という応用の新業態を模索する。特色文化観光の面では、延慶、平谷、密雲などで低空観光や飛行体験などの産業を発展させる。

北京から雄安・天津への通勤航路の実現は容易か?

では空飛ぶタクシーによる通勤の実現は容易なのだろうか。計画によると、都市間通勤の面においては、大興国際空港と雄安新区、首都国際空港と天津や廊坊などの地域の通勤航路を構築する。実際には、北京は早くから航路を模索している。北京平谷石仏寺空港から河北雄安鄚州空港までの通勤航路を例にすると、飛行距離が短く白洋淀景勝地に近いことから、開設から1年ですでに延べ150便が運航されている。北京から白洋淀景勝地までは100キロメートル以上離れており、車での移動時間は2時間ほどだが、飛行機ならわずか30分ほどしかかからない。このように高速鉄道もしくは車で2時間以上の移動時間をさらに短縮できる。これは北京の未来の低空航路計画の一つの参考材料にもなっている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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