運転手処遇改善へ運賃交渉応じて トラック取引協 県会議所連に要請

松田会長(右端)に要請書を手渡す今岡支局長(左から2人目)ら

 岡山県内のトラック輸送業者や中国運輸局岡山運輸支局などでつくる「取引環境・労働時間改善県地方協議会」は29日、輸送業者からの運賃価格交渉に荷主企業が応じるよう求める要請書を県商工会議所連合会に提出した。ドライバー不足が懸念される「2024年問題」の解消に向け、賃金水準を引き上げて担い手を確保する狙い。

 要請書では、4月に適用された改正労働基準法の残業規制により、30年度には輸送力が34%不足する可能性があると指摘。ドライバーの処遇改善のため運賃引き上げ交渉の申し出があった場合、会員の荷主企業には応じるよう、連合会から呼びかけを求めている。

 29日は協議会事務局となっている中国運輸局岡山運輸支局の今岡俊之支局長、岡山労働局の森実久美子局長、県トラック協会の遠藤俊夫会長が、岡山市の岡山商工会議所を訪問。連合会の松田久会長に要請書を手渡した。

 今岡支局長は「運賃交渉では輸送業者側の立場が弱くなる。まずは話し合いの場に着いてもらう必要がある」と訴え、松田会長は「輸送業界全体の問題だという理解を広げ、生産性の向上やドライバーの賃上げに取り組んでいく」と述べた。

 全日本トラック協会による昨年10月の抽出調査では、価格交渉を行った全国の輸送業者は6~7割。このうち運賃引き上げにつながったのは3割程度にとどまり、県内でも同様の状況とみられるという。

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