過去の被害を教訓に大雨への備え 県立美術館には止水板 能代市では「土のうステーション」 秋田

秋田朝日放送

本格的な雨のシーズンを迎えようとしています。毎年のように大雨による浸水被害が発生している秋田県内でも被害を最小限に食い止めるための準備が進められています。

秋田市の中心部にある県立美術館。閉館とともに出入口に設置されたのは止水板です。雨や側溝から溢れ出た水が入ってくるのを防ぐため自動ドアを挟むように建物の外と中にそれぞれ設置しています。

2020年9月の大雨で建物の中に水が入り込み1階の一部が浸水しました。美術品にとって水はもちろん、湿気は大敵です。止水板の設置や建物周辺の排水機能を高めるなど対策を講じています。

度重なる水害を教訓に備えを強化してきた能代市は5月から配布を始めたハザードマップは市内全体を見渡す大きな1枚の地図から冊子のタイプに変えました。ページはまたぎますが地域ごとに大きく見えるようにしました。

初動対応の備えとして2014年から設置を進めているのが土のうステーションです。砂が入った状態ですぐに使うことができる約70個の土のうが収納されていて、川沿いや土地が低くなっているエリアにあわせて14カ所あります。さらに1カ所、新設に向け地域住民と調整しているそうです。市内4カ所に設置されている「防災倉庫」には土のうを運ぶ組み立て式のリヤカーやブルーシート、自主防災組織で用意した排水ポンプなども収納されています。過去の教訓をいかし住民と自治体が連携して備えを進めてきました。土のうを用意しておわりではなく住民も参加する訓練などで使い方を確認し備えを有効活用するための取り組みも続けています。

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