井上尚弥 グッドマンとの交渉宣言「勘違い」だった!9月の相手は「未定」

練習を公開した井上尚弥

対戦の誓いは勘違いだった。ボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)が29日、横浜市内の所属ジムで練習を再開。自身がIBF・WBO同級1位サム・グッドマン(25=オーストラリア)を相手に9月に国内で対戦の交渉をすると宣言していた次戦について、所属ジムの大橋秀行会長は「9月に予定しているが、対戦相手は未定」と明言した。

6日に東京ドームで〝悪童〟ルイス・ネリ(メキシコ)を成敗した井上。その試合後、観戦に訪れていたグッドマンをリング上に呼び出し、「9月ごろ、隣にいるサム・グッドマンと防衛戦の交渉をしていきたいと思います」と呼びかけ、グッドマンも「自分もベルトが欲しくてここまで戦ってきた。やりましょう」と応じ、両者は対戦するものと思われていた。

ところが、28日にオーストラリアのメディアが、グッドマンが7月に次戦を行うことが発表されると報道。試合間隔を考えると9月に対戦することは難しくなったと言える。これについて井上は「ボクシングあるある」と受け入れながらも、リング上での呼びかけは「試合前に聞いていた話と誤解がありまして、交渉して9月と勘違いしていました。僕が先走ってリングに上げちゃったんですよ。そしたら、全然違った」と苦笑しながら説明した。

他の相手候補には、東京ドーム興行でネリの代役としてラインアップされ、アンダーカードでブリル・バヨゴス(フィリピン)を4回TKOで破ったWBO同級2位のTJ・ドヘニー(アイルランド)が有力。だが、大橋会長はグッドマンとも「交渉の余地がある」と話した。

この日、井上はシャドー、サンドバッグ打ち、ミット打ちなどで調整。グッドマンは右、ドヘニーは左と構えの違いもあり、「右か左かだいたい分かればスパーリングもやりやすい」と話しながらも、「本格的に相手をイメージして詰めていくのは(試合の)1か月半か1か月(前)なので焦りはない」と意識はしなかった。

モンスターの〝勇み足〟から始まった次戦の行方はどうなるのだろうか。

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