圏央道の休憩施設不足改善につながる坂東PA(内回り)開業! 今後はハイウェイ・オアシスがオープン予定

By 会田 肇

NEXCO東日本は4月23日正午、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)内回りに「坂東(ばんどう)パーキングエリア(茨城県坂東市弓田)」をオープンさせました。これまで、圏央道は休憩施設の少なさが課題となっていましたが、その解決につながることが期待されます。

圏央道外回りにも坂東PAが設置予定

坂東PAは駐車場とトイレ棟で構成される、売店やフードコートがない休憩施設ですが、駐車場は大型38台・小型51台・障がい者1台・二輪車4台を備え、急速充電器は2口(1口最大出力90kW)が整備されています。トイレは男性小7基・男性大5基・女性13基(和式トイレ1基含む)・バリアフリー1基・家族1基が整備され、この中には男女ともにオストメイト対応トイレも1か所ずつ含まれます。また、女性側にはパウダーコーナーも用意されました。

↑「坂東PA(内回り)」の俯瞰イメージ図

【施設内ギャラリー】

これまで圏央道は、サービスエリア(SA)が1か所もないだけでなく、PAが少ないことも課題とされてきました。特に交差する常磐道「つくばJCT」から東北道「久喜白岡JCT」の区間では、休憩施設が1か所もない空白区感であり、その距離は圏央道「江戸崎PA」から次の「菖蒲PA」までの約77km、東北道の上り「蓮田SA」までは約79km。下り「羽生PA」までになると、なんと約87kmもの区間、トイレも休憩施設もない状態となっていたのです。

↑これまでは80km近くにわたって休憩施設がなかった圏央道内回り区間に「坂東PA」が開業した

今回オープンした坂東PAは、これらのほぼ中間点に設置されたことでSA・PA間の距離は40kmほどに縮まることになり、ドライバーの疲労軽減に役立つものと期待されています。

↑施設内の情報板
↑施設の電力も賄えるように屋根には太陽光パネルが設置された

ただ、今回オープンした坂東PAは圏央道内回りに設置されたもので、外回りには未設置のままです。NEXCO東日本によれば、外回りにも板東IC~常総ICの4車線化(2025~2026年頃)にPAを設置できるよう、工事を進めている最中とのこと。坂東PAが外回りにも用意されるのも、もう少しの辛抱ということですね。

坂東PAにハイウェイ・オアシス計画が進行中

そして注目なのが、坂東PA(内回り)には、10ヘクタールもの面積を持つ「ハイウェイ・オアシス」を隣接する壮大な計画が準備されていることです。

これは地元である坂東市が計画していた地域拠点整備事業の一環であり、ここには売店や飲食店のほか、都市公園を一体的に整備することで緑あふれる自然環境を活かした憩いの場として提供される計画です。坂東市が作成した「坂東PAハイウェイ・オアシス」イメージ図によれば、PA(内回り)の右手には大きな池を挟んで桜公園があり、その近くにはヘリポートも設置されていることがわかります。

↑坂東PAに隣接して計画が進む「坂東PAハイウェイ・オアシス」のイメージ図

また、完成時には内回り・外回りPAからだけでなく、周辺の一般道からアクセスする道路も整備してより多くの利用者が出入りできるようにしていく計画とのことです。坂東PAがオープンした4月23日の時点では、すでに周囲が工事車両によって整地作業が進められており、その準備は着々と進んでいる様子でした。

↑ハイウェイ・オアシスを整備するべく、すでに整地作業が始まっていた

今なら“一時退出”を活用して周辺の道の駅利用がおすすめ

とはいえ、ハイウェイ・オアシスが完成されるまでは80km近くもの区間で食事も買い物もできない区間が続きます。そこでぜひ活用したいのがETC2.0を使った道の駅への“一時退出”です。

通常、高速道路を出て再び同じICに戻ると、そこにはターミナルチャージが加算されて、通しで通行したときよりも割高になってしまいます。しかし、ETC2.0(※)を使った“一時退出”を使えば、このターミナルチャージが加算されずに済むのです。

※:従来のETCがバージョンアップしたもの。料金収受の自動化に加え、リアルタイムの渋滞情報をもとに迂回ルートを教えてくれたり、有料道路の利用がお得になったりと、多彩な情報サービスを提供してくれる

坂東PA近くの五霞IC付近には道の駅「ごか」が、常総IC付近には道の駅「常総」があり、ここではその「一時退出社会実験」を実施中。これを利用するのです。

特に道の駅「常総」は施設内には単なる店舗だけでなく、TSUTAYA BOOKSTOREやキッズ向けパークのほか、いちご園も併設するなど、その充実ぶりには目を見張ります。ハイウェイ・オアシスができるまでの買い物や食事場所として利用するといいでしょう。

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