環境保全措置の実施状況など審議 リニア中央新幹線トンネル掘削工事に伴う瑞浪市の井戸水位低下問題

瑞浪市大湫町の水位低下問題を審議する岐阜県環境影響評価審査会地盤委員会=5月29日、県庁

  リニア中央新幹線のトンネル掘削工事に伴い瑞浪市大湫町で井戸などの水位が低下した問題で、県は29日、有識者らが環境保全の実施状況を審議する県環境影響評価審査会地盤委員会の会合を開きました。

  会合には大学教授らで構成された委員のほか、県や瑞浪市、JR東海の関係者が出席しました。

  議題はリニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われいる瑞浪市大湫町で、井戸やため池など14カ所で水位が低下したことについてです。

  会合でJR東海の担当者は、湧き水が出た区間のトンネル全周を対象に湧き水を止めるための薬液を注入する計画などを説明した上で、「やってみないとどれだけ湧き水が減るかは分からない。湧き水を止めることで地下水が回復することを期待しているが、そうならない可能性もある」と話しました。

  委員からは「湧水低減対策に注力しているが、周辺の自然環境保全も同時並行で考えなくてはいけない」といった意見が出されました。

  また、水位の状況を定期的に把握し、調査範囲を広げる必要性もあるといった指摘もありました。

  瑞浪市の担当者は「地域の資源を破壊しかねない重大な事態だ。元の環境に戻してもらいたいという住民の思いに寄り添ってほしい」と話しました。

  県は、JR東海からの調査データなどをもとに今後の対応策を審議していくということです。

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