カット野菜の工場に潜入 岐阜県養老町「サラダコスモ」の驚きのカット技術 キャベツは0.2ミリ幅も可能

食卓の強い味方“カット野菜”。使い切りサイズで手軽とあり、市場規模は年々右肩上がりで伸びている。特に売れているのが、「サラダコスモ」が出している「ニラ野菜 炒め用ミックス」。年間1200万袋を販売し、「野菜ミックス部門」で売り上げ日本一を誇る(日経POSセレクション2023より)。国産野菜だけを使用し、洗う必要もなく、フライパンで炒めるだけで食卓に並ぶ一品に。

今回は、岐阜県養老町にある「サラダコスモ 養老生産センター」の驚くべきカット技術に迫る。

キャベツの千切りの“ふわシャキ食感”を生み出す秘密

「サラダコスモ養老生産センター」では、人気の「ニラ野菜 炒め用ミックス」の他にキャベツの千切りの加工も手掛けている。毎日約20トンのキャベツを入庫。仮に1食分を100グラムとすると、20万食分も加工していることになる。

まずは手作業でキャベツを1個ずつマシンにセット。驚きのカット技術を撮影するため、特別にマシンの内部にカメラを設置させてもらった。

マシンに吸い込まれたキャベツをスーパースロー映像で確認すると、高速回転するドリルがキャベツの芯を一瞬で抜き取っていることが分かる。芯の処理が終わると、今度は円盤型の刃で一刀両断! 養老の地下水で洗浄した後は、再び手作業でマシンにキャベツを隙間なく詰め込んでいく。

すると一瞬で切り刻まれ、キャベツの千切りの出来上がり! 「サラダコスモ」では、キャベツを1ミリ幅にカットすることで、ふわふわシャキシャキの食感を実現している。ちなみに工場では、0.2ミリまでカットできるというから驚きだ。

華麗なニンジンのカット作業

続いて、「ニラ野菜 炒め用ミックス」にも入っているニンジンに注目。ニンジンの両端をカットしてマシンの台座に置くと、自動的に中へ吸い込まれていく。

特別にマシンのカバーを開けてもらい、内部の3カ所にカメラを設置。普段見ることができないレア映像の撮影に成功した。マシン内部に入ったニンジンに突起のような物が刺さり、奥へ押し出されていくのが見える。

ニンジンを刺した突起物は回転し、そのまま“ゲート”を開くように進んでいくが、ゲートのように見えるものはじつはピーラー!

下から見ると、ピーラーがむいた皮が飛び出しているのが分かる。マシンの正体は、ニンジンが回転しながら進むことで360度皮をむくことができる「自動皮むき機」だった。

皮をむいたニンジンは、円形の刃がセットされたマシンでスライス。細かくカットされたニンジンが宙を舞う様は、まるで桜吹雪のよう!

野菜炒めに適した大きさにするため、細かくカットできる刃を使っている。マシンの技術力を持ってすれば、サイズも自由自在というわけだ。

まるで巨大ターミナル! 野菜たちが合流

いよいよ「ニラ野菜 炒め用ミックス」の主役、ニラをカットする工程へ。ニラは、向きをそろえてマシンにセット。すると、プロペラのような刃がニラをひと口大のサイズにカットしていく。刃を回すスピードを変えることで、野菜の長さも調整できる。

カットされた野菜がついに合流。まるで巨大ターミナル駅のようだが、その名は「野菜計量マシン」! 扇状に少しずつ野菜を流すことで均等に振り分けます。

さらに赤い矢印の部分に注目すると、別工程を経たモヤシが、なんと袋の中で合流! 多くの工程を経て、やっと「ニラ野菜 炒め用ミックス」が完成する。手軽に使え、重宝する「カット野菜」。食卓に届くまでの製造工程には、驚きの技術が隠されていた。

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