中国広西チワン族自治区で新種のマメ科植物3種を発見

中国広西チワン族自治区で新種のマメ科植物3種を発見

花を咲かせた河池徳昭藤。(資料写真、南寧=新華社配信)

 【新華社南寧5月29日】中国科学院華南植物園(広東省広州市)の系統発育・繁殖生物学チームは、広西チワン族自治区で河池徳昭藤(Cheniella hechiensis)など新種のマメ科植物3種を発見したと明らかにした。今回の発見に関する論文は国際植物分類学会誌「Taxon(タクソン)」に掲載された。

中国広西チワン族自治区で新種のマメ科植物3種を発見

花を咲かせた河池徳昭藤。(資料写真、南寧=新華社配信)

 同園系統発育・繁殖生物学プロジェクトチームのリーダーを務める涂鉄要(と・てつよう)副研究員によると、研究チームは2018年6月、同自治区鳳山県での野外調査で既知のマメ科徳昭藤属(Cheniella R.Clark & Mackinder)とは葉や果実の形状がやや異なる植物の標本を採集した。その後数年の野外調査を経て、チームは2021年5月に同自治区河池市環江県の木論国家級自然保護区で同植物を改めて発見。その場で形態学的、解剖学的な観察とデータ記録を行い、分子試料と個体群資料を採取した。DNA解析の結果と形態学的な証拠に基づき、徳昭藤属の新たな分類群だと判断した。 

中国広西チワン族自治区で新種のマメ科植物3種を発見

広西チワン族自治区の木論国家級自然保護区に自生する河池徳昭藤。(資料写真、南寧=新華社配信) 

 河池徳昭藤は主に河池市の環江マオナン族自治県、鳳山県、百色市の凌雲県など標高800~千メートルのカルスト丘陵の日当たりの良い斜面に分布し、これまでに3個体群が確認されている。

 今回の論文には同自治区百色市那坡県の長蕊(ちょうずい)徳昭藤(Cheniella longistaminea)と平果市の毛果徳昭藤(Cheniella pubicarpa)の新種2種も掲載された。

中国広西チワン族自治区で新種のマメ科植物3種を発見

河池徳昭藤の葉。(資料写真、南寧=新華社配信)

 涂氏は、徳昭藤属植物の種の多様性は広西チワン族自治区が最も高く、同属植物の最も主要な分化の中心地であることが今回の研究で分かったと説明。科学界が石灰岩地域の植物の多様性を理解し、研究する上でより多くの証拠の基礎をもたらしたと語った。(記者/黄浩銘)

© 新華社