熊本市民病院の跡地、商業施設入居を条件に売却 熊本市、7月以降に公募

 熊本市の大西一史市長は28日、東区湖東の旧市民病院跡地について、商業施設の入居を条件に一般競争入札で売却すると発表した。7月以降に公募して入札を実施し、本年度中に売買契約を締結する。

 商業施設は、生鮮食品を扱う店舗を想定。国道57号を挟んだ場所にある、中央区神水本町の第2駐車場と一括して売却する。病院跡地が1万3655平方メートル、第2駐車場が2643平方メートル。

 市病院局によると、来月4日に開会する市議会6月定例会に上程する病院事業会計の補正予算に、売却益として14億4250万円を計上。売却額の最低ラインとなる見込み。

 大西市長はこの日の定例記者会見で、「新たなにぎわいを創出し、熊本の魅力が高まるような提案を期待している」と述べた。跡地に出現した大きな水たまりについては「地下水はしみ出しておらず、売却に影響はない」と話した。

 旧市民病院は2019年11月、熊本地震で被災した北館と南館の解体に着手した。粉じんや騒音、振動などへの苦情が相次ぎ、工事を中断。対策を講じて再開し、23年7月に工事を終えた。地元自治会は22年2月、商業施設の誘致などを盛り込んだ要望書を市に提出している。(九重陽平)

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