日本女子バレー“宿敵”に惜敗もブラジル主将「いつも死闘を覚悟している」と日本を称賛!【ネーションズリーグ】

バレーボール・ネーションズリーグ(VNL)の女子予選ラウンド第2週が、現地28日に中国ラウンド(マカオ)で開幕した。世界ランク8位の日本代表は同2位ブラジル代表と対戦し、勝利へ近づくもセットカウント2-3(26-24、24-26、25-19、20-25、11-15)で惜しくも敗れて今大会2敗目を喫した。

パリ五輪への切符獲得へ向け、第1週を3勝1敗で終えた日本の招集メンバーは2週目も変更なし。初戦の先発は、セッターが岩崎こよみ、アウトサイドヒッター(OH)は主将・古賀紗理那、林琴奈と石川真佑、ミドルブロッカー(MB)山田二千華、荒木彩花、リベロに小島満菜美を起用し、選手交代を駆使しながら試合を進めた。

五輪予選を兼ねた昨秋の世界バレーで対戦したブラジルは、日本とのフルセットマッチを制して出場権を獲得。日本の自力出場が消えた準々決勝の相手だった。

主力は、東京五輪銀メダリストのOH主将・ガブリエラ・ギマラエス(ガビ)とロザマリア・モンティベレラ、MBアナ・カロリナ・ダ・シウバ(キャロル)ら。この2週目は、第1週最終日のセルビア戦で右膝前十字靭帯を損傷したMBジュリア・クディスに代わり、五輪で2008年北京と2012年ロンドンの2大会連続で金メダルを獲得した37歳のベテランMBタイーザ・デ・メネゼスがメンバー入りした。1週目は4戦全勝で、同じく無敗のポーランドとの失セット差により予選2位につけている。

第1セットを終始リードした日本は、終盤にブラジルの猛攻でセットポイントを許すも、直前に交代出場したMB渡邊彩のブロックでそれを阻止。間髪を入れずに石川の2連続得点で逃げ切りセットを先取した。第2セットは、拮抗した展開のまま迎えた終盤に3連続ブレークを決められ20-24。そこから、古賀と投入した宮部藍梨の連続ブロックなどでデュースへ持ち込んだが、ガビの気迫の一打で試合を振り出しへ戻された。

サーブで流れを引き寄せた日本が早々に主導権を握った第3セットは、リードを最大10点へ広げるなどして確実に奪取し、勝利へ近づいた。勝負を決めたい第4セットは僅差でリードしていたが、後半にかけて被ブロック2本などで後退する。それでも、粘り強くプレーを続けたものの、タッチネットに見舞われるなど終盤に連続失点。さらにサーブミスなどで挽回の機会が遠のいていった。

勝負の最終セットは、第3セット終盤からコートに立ったタイーザの気迫でギアが上がった強豪ブラジルが底力を発揮する。日本は、序盤からリードを許して本来のリズムを取り戻せないまま、被ブロックや誤打の頻発などで失速。あと1セットへわずかに届かず悔しい逆転負けを喫した。

古賀は全体最多29得点(アタック26、エース2、ブロック1)、石川が22得点(アタック21、ブロック1)を記録。林も16得点(アタックのみ)と健闘した。二桁得点は、日本がOH勢のみに留まった一方、ブラジルはMBのキャロルの13得点(アタック6、ブロック7)と試合後半から出場したタイーザの11得点(アタック7、ブロック4)を加え、5選手がマークした。 ブラジル最大ポータルメディア『Globo.com』は、母国の逆転勝利を讃えつつ、2セットを先取して世界ランク2位を初黒星の危機に直面させた日本の戦いぶりに言及。「1セット目で多彩な攻撃を繰り出しながらボールを拾いまくり、ブラジルに厳しい戦いになることを覚悟させた」、「ブラジルに困難をもたらし、二度にわたりセットダウンへ追い込んだ」と報じた。

主将のガビは試合後、「すごい試合だった。日本との対戦は、なるべくして5セットマッチになる。このカードはそうなるのが当然。試合時間が長くなることは予想できた。日本のクオリティーに対抗するには、とにかく忍耐強く、そしてアグレッシブであることが不可欠になると思っていた。日本の守備レベルの高さは断トツ。だから、チームが一瞬も諦めずに戦ったことがとてもうれしい。日本はサーブも素晴らしく、私たちは大きなプレッシャーに晒される時間帯があった。メンバー14人全員で違いを生み出すことができたと思っている」とコメント。世界屈指のプレーヤーが、日本戦はいつも死闘を覚悟していると漏らした。

フルセットでの黒星で、世界ランクの減点を1.84ポイントに抑えて8位、上位8チームが決勝ラウンドへ進む予選順位で暫定6位につける日本。休養日1日を挟んで行なわれる第2戦(日本時間30日17時開始)で五輪開催国の同15位フランスと対戦する。

構成●THE DIGEST編集部

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