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【家電のことはオイラに聞いて!】#51
コーヒーをおいしく飲むには手間がかかります。それを自動でおいしく入れてくれるのがカプセル式コーヒーメーカー。有名レストランも常に同じおいしさにするために導入しているという話はしばしば聞きます。
数あるコーヒーの入れ方でも最後に生まれたのがエスプレッソです。
万国博覧会が大人気だった時代の1906年ミラノ万博も例外ではありません。このとき、カフェの行列が問題になりました。1杯入れるのに数分かかるため、客がさばききれないとされたからです。それで蒸気で圧力をかける強制抽出方法が導入テストされて、生まれたのがエスプレッソ。エクスプレス=「急ぎ」「急行」の意味です。
エスプレッソは濃く抽出されるため、砂糖をたっぷり入れて専用の小さなカップで楽しみます。コーヒーは評判を取るとミルク入りが発売されますが、エスプレッソの場合、カフェラテとカプチーノがあります。カフェラテは、コーヒーに単にミルクを入れたものですが、カプチーノはスチームで泡立てたミルクを使います。ちゃんとしたエスプレッソマシンはスチームが付いており、ミルクを泡立てることができますが、日常的にこれを使うのは結構大変です。
まず冷たいミルクを金属のミルクジャグに入れ、手のひらに乗せます。そしてミルクジャグのミルクの中にスチームを噴射。手のひらを回し、中が均等になるように泡立てます。そのうち手のひらがだんだん熱くなります。やけどギリギリの熱さでジャグをノズルから外します。この状態だと、まだ泡は大小いろいろ。ジャグを台に打ち付けて泡サイズを揃えます。正直、慣れるまであたふたします。
これを自動でやるカプセル式コーヒーメーカーが登場しました。ネスプレッソ「ヴァーチュオ ラティシマ」です。
■ゆっくりと下にコーヒーの層が見えてきて…
カプチーノを選択してスイッチを入れると、ミルクタンクからミルク出し口の間で、スチームによる温めと泡立てをします。そしてカップには泡立ったミルクが入ります。その後、抽出されたエスプレッソが注がれます。コーヒーの方が重いので、ゆっくりと下にコーヒーの層が見えてきます。なんとも優雅です。
飲んでも実においしい。適度に薄まっているのではなく、コーヒーの荒々しさを、ミルクがしっかり包み込み、両者の良さがしっかり感じられます。よくできている「ヴァーチュオ ラティシマ」ですが、完全自動ではありません。毎回メンテナンスも必要です。牛乳は残ると臭くなりますので、メンテを怠ると大変です。
値段もちょっと張って、5万円を超えます。ですが、購入する価値は十分あります。というのは、エスプレッソは、普通のコーヒーより手間がかかるからです。極細びきのコーヒー粉は飛び散りやすいし、保管も面倒。
「ヴァーチュオ ラティシマ」はカプチーノ愛好家にとって理想的なモデルです。
(多賀一晃/生活家電.com主宰)