前戦2位で上り調子のタナク「今回はもっと良い結果を出す」/WRC第6戦イタリア 事前コメント

 5月31日(金)から6月2日(日)にかけて、2024年WRC世界ラリー選手権の第6戦として『ラリー・イタリア・サルディニア』が開催される。

 第5戦『ラリー・ポルトガル』から続くグラベルラリー連戦の2大会目となる第6戦。再走ステージでのコンディション変化などの基本的なグラベルラリーの特徴に加え、今回舞台となるサルディニアのステージは道幅が狭く、立ち木や岩が近いことも難度を上げるポイントとなる。そんな第6戦を前に、各陣営からドライバーたちの声が届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)

「サルディニアは自分にとって一番経験が多いラリーのひとつで、過酷でもあるイベントだ。走行距離が例年にくらべて少し短くなっているが、競争がとても激しくなることは分かっている。できるかぎり最高の結果を出せるようにベストをつくすよ。僕たちは今チャンピオンシップで4位につけているし、表彰台に戻りたいと思っている」

「サルディニアは小さな島で、ステージはとても荒れている。通常はとても暖かいイベントだし、ステージの2度目の走行のときは石がたくさん出てくる。マシン、メカニック、クルーにとってはかなり厳しいものになるし、挑戦しがいのあるラリーになるだろう。あとは、いくつかの美しい風景も楽しんでいこう!」

●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)

「ラリー・イタリア・サルディニアをとても楽しみにしている。この数年間の経験から、天気がトリッキーであることも分かっているつもりだ。昨年は極端な雨の状態から晴れて、暑い天気になったので、今回はどのような天気になるかも注意深く見ていかなければならないだろう」

「今年の日程は、2022年の時と似ているように感じている。あそこでの経験は少し不足しているが、サルディニアにはポルトガルでの勢いと、学んだことを持ち込みたいと思っている。今後も学び続けていくのを楽しみにしているよ」

2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニアの舞台となるサルディニア島のステージ
2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)

■ヒョンデ・シェル・モービスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)

「ラリー・イタリア・サルディニアは非常に難しいラリーで、週末を通して完璧なドライビングが必要だ。まずはとても正確なペースノートと、適切なセットアップが必要だ。1度目と2度目の走行でステージの状況が大きく異なる可能性があるので、そうした変化にもマシンを適応させなければならない」

「暑さと長い一日が理由で生じるタイヤへの摩耗は、イベント全体を通して僕たちが直面する最大の課題だ。そしてリエゾンが長いために睡眠時間も少なくなるので、他にはない挑戦になる。それでも今週末も自信はあるし、僕たちはいつもと同じアプローチで臨もうと思っているよ」

「コンディション、クルマ、その他のラリーに影響を与える可能性を考慮して、可能な限り最高の結果を目指してプッシュしていく。イベント前のテストはしていないし、シェイクダウンはラリーの残りの部分とはまったく違うので、その点は気にかけておくべきだろう。でもそうしたことを克服し、できる限り最高の結果を持ち帰るよ」

2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル ポイントランキング首位に立つティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)

●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)

「ポルトガルでは素晴らしく手堅い週末を過ごせたと思うので、それを土台にしていきたい。少しずつペースが上がってきたので、少し楽になっている。ただ、サルディニアはとても滑りやすくて、必要なグリップを得るのが難しい場合があるんだ。そしてとても高い気温も考慮すると、すべてがさらに難しくなる」

「1度目と2度目のループで同じタイヤを履くと、強力なパッケージをまとめ上げるのは難しくなってくるので、とくに早い出走順でスタートする場合はセットアップの特性も利用しながら多くのトラクションを引き出す必要がある。チャレンジングだけれど、ラリー自体はかなり面白くなるイベントなので、以前から僕は気に入っているんだ。ポルトガルでは、パンクで台無しになるまでは総合優勝にすごく近づいていたので、今回のサルディニアではもっと良い結果を出すよ」

●ダニエル・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)

「サルディニアの路面はポルトガルととても似ているが、場所によってはもう少し滑りやすくなっている。僕にとってポルトガルは、このイベントに向けた素晴らしい準備になったと言える。ただ、今年のイベントははるかに凝縮されているので、土曜日以降に可能なかぎり最善の出走順を獲得するには、スタートから速さが必要だろうね」

「出走順が非常に重要となるイベントなので、走りはじめから最適な状態にするためになにができるか検討していく。もちろん、マシンには高い精度が求められる。いくつかの区間は道幅がとても狭く、マシンを安全に通過させるのにさらに高いグリップが必要だからだ。目標は表彰台に上がることなのは間違いないが、さらに一歩進んで優勝をかけて戦うことができたらとてもいいだろう」

2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガルでは2台を表彰台に送り込んだヒョンデ・シェル・モービスWRT

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「自分たちにとってポルトガルは困難な週末になってしまったが、シーズンはまだ序盤だ。ただ、ここからの数戦はさらに力強く戦わなくてはならない。どのラリーも重要で、今回のサルディニアでもチャンスを最大限に生かす必要がある」

「ポルトガルではクルマのフィーリングが確実に良くなったので、テストの時間が限られている状況では決して簡単なことではないと思うが、サルディニアに向けてさらに改善するためチームと一緒に取り組んでいるところだよ。このラリーはポルトガルとかなり似ているところもあるが、よりトリッキーなところも多くある。それでも状況を好転させ、より良い週末にすることができると確信している」

2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニアの舞台となるサルディニア島のステージ

●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「クロアチアとポルトガルで優勝して、いい流れに乗れていると思うので、もちろんそれを続けたいし、サルディニアでも好調を維持することが目標だ。最近おこなった事前テストはうまくいっていたし、ポルトガルでも路面が砂っぽくなってサルディニアと似たコンディションになった時にはとても調子が良かったので、今回もそうなることを願っているよ」

「いずれにせよ、自分たちはいい位置につけているはずだ。長いステージがあったり、タイヤマネージメントが求められるなど難しいチャレンジになると思うが、自分のキャリアにおいてサルディニアは、そのような難しい状況をマスターし、好きになることができたラリーなので、今回もまたいい旅になることを願っている」

2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル 3連勝を目指すセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「ポルトガルは望んでいたような結果になりませんでしたが、クルマのフィーリングは週末を通して良かったので、サルディニアでもそれが続くことを期待しています。グラベルの質や路面はポルトガルと少し違うので調整しなければならないところもありますが、最近おこなったテストの内容は良かったですし、エンジニアをふくむチームの全員がさらに強くなるために努力しています」

「路面が非常に滑りやすいこのラリーでは、これまであまり大きな自信を持って走ることができていませんでしたが、金曜日の出走順はいいと思うので、最初から自信を持って走れるように頑張ります」

2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニアの舞台となるサルディニア島の海

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