嘉陽、念願の新十両 海洋高出5人目の関取 大相撲7月場所番付編成会議

大相撲5月場所千秋楽、嘉陽(右)と田海さん(提供写真)

日本相撲協会は29日、大相撲7月場所(7月14日初日、愛知・ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を開き、新十両と再十両力士の3人を発表。海洋高出身の嘉陽(24、二所ノ関、本名嘉陽快宗)が念願の十両昇進を決めた。同校出身で通算5人目の関取。

幕下西筆頭の位置で臨んだ5月場所で5勝2敗と勝ち越した。これまで十両昇進を惜しいところで逃してきただけに、関係者は喜びを表し、二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)と臨んだ会見でホッとした表情を見せた。

嘉陽は、共に同部屋の十両の白熊(25)と能生中―海洋高―日本体育大で同期、小結の大の里(23)とは中高大の1学年先輩に当たる。2人の十両昇進、大の里の幕内での快進撃を見ながら、ようやく自身も同じ関取の座をつかんだ。3人は兄弟のように仲が良いという。

中高時代に指導した海洋高相撲部総監督の田海哲也さん(63)によると、中学に入学した頃は小柄で「いろいろな方から『あの子は続けるのは無理じゃないか』と言われていた」と振り返る。「誰もが関取になるとは想像しなかった」と話し、「沖縄出身のお母さん、おばあちゃんに育てられ、いつも明るく『なんくるないさー(なんとかなるさ)の心』を持っていた。本当に気持ちの優しい子。よく頑張ってくれた」と手放しで喜び、たたえた。

海洋高時代に現・白熊、大の里らと組んで選抜十和田大会、弘前大会で優勝。日本体育大4年時に全国学生選手権団体優勝、全日本選手権個人5位入賞。令和4年5月場所で三段目90枚目格付け出しデビュー。これまで在位13場所で通算61勝30敗。突き押し相撲。身長171・3センチ、体重156・4キロ(日本相撲協会データより)。

能生中入学時の嘉陽(左)。同期の白熊(高橋優太、右)、八幡莉玖さん(中央)と比べると、明らかに小柄だった(提供写真)

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