宇宙ビジネス販路拡大 今秋 茨城県、共同受注体制構築へ

研究会立ち上げの趣旨を説明する県産業技術イノベーションセンターの職員=茨城町長岡

茨城県は29日、「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」の一環で、宇宙機器に特化した企業の共同受注体制を今秋に構築すると発表した。県独自の供給ネットワークの運用を通して、県内のものづくり企業の受注拡大や技術の深化、付加価値向上を狙い、宇宙産業での販路拡大につなげる。

名称は「IBARAKIスペースサプライネットワーク(仮称)」。今年10月の構築を目指す。来月から受注に向け必要な知識や、実際の小型人工衛星の構造など実務的なことを学ぶ勉強会を開催する。

構成メンバーは、県内のものづくり企業(システム、ソフトウエア系含む)を想定。県が2019年に立ち上げたネットワーキング「いばらき宇宙ビジネス創造コンソーシアム」と、勉強会への参加が条件となる。このほか宇宙機器展示会への出展や宇宙ベンチャーとのマッチング会などを行い、専用ホームページや企業情報の発信もする。

受注範囲は小型人工衛星の部品や設計付きコンポーネント(主要部品)などとし、24年度は第1段階として、宇宙ビジネス関係者からの試験的な部品受注を目指す。25年度以降は宇宙ベンチャーや大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)からの受注を目標に掲げている。

同日、県産業技術イノベーションセンター(同県茨城町)で「宇宙ビジネス研究会」の第1回会合が開催され、会員18社のうち17社が参加。宇宙ビジネスに参入している企業の講演などが行われた。綿引伸一センター長は「宇宙分野は裾野が広い。グローバル展開を含め、将来性がある」と期待を込めた。

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