【『太陽を抱く月』VS『チャングム』】ヤン・ミギョンは時代劇のスーパー「オモニ」?

キム・スヒョンが主演した『太陽を抱く月』は、序盤でヒロインのヨヌをキム・ユジョンが演じたが、その母親に扮したのがヤン・ミギョンであった。

良家の奥様として品位があり、しかもヨヌの母親としても本当に優しかった。ヨヌはせっかく世子嬪(セジャビン)になったが、大妃の陰謀で命を失ってしまった(後に復活して巫女として生きていった)。その最期の瞬間、我が子を亡くした母親の慟哭(どうこく)をヤン・ミギョンが迫真の演技で扮していた。

『太陽を抱く月』は40%を超える大ヒットを記録したが、登場人物たちを多彩に演じた出演陣が本当に素晴らしかった。その中でもヤン・ミギョンの存在感は抜群であった。まさに時代劇に欠かせない名優である。

このヤン・ミギョンといえば、傑作『宮廷女官 チャングムの誓い』でのハン尚宮(サングン)の役が有名だ。イ・ヨンエが演じたチャングムの愛情あふれる師匠としてハン尚宮は記憶に残る役だった。特に、陰謀にはまってハン尚宮が悲惨に亡くなっていく場面は、涙なくしては見られなかった。

このように印象に残る名場面を演じてきたヤン・ミギョンは、『宮廷女官 チャングムの誓い』が女優として転機になったという。

「デビューして初めて自分に合った役を演じることができました」

女性らしさを備えつつも強靭な心を持つハン尚宮は、自分と似ている女性だと言う。こうしてヤン・ミギョンは最高の適役を得たのである。

主に時代劇で活躍してきたヤン・ミギョン(写真提供=OSEN)

善良な人を彷彿させるような女性

彼女は韓国でも「古典的な美人」と呼ばれてきたし、「チョゴリがとても似合う女優」とも評されてきた。

『宮廷女官 チャングムの誓い』と『太陽を抱く月』の他にも、『不滅の恋人』ではイ・ガンとイ・フィの母親としてドラマを盛り上げていた。

以後もヤン・ミギョンは、善良な人をよく演じている。実際の彼女もその通りの人で、慈善活動に積極的だ。特に、恵まれない人々への援助を欠かさない。彼女は、自分が演じる善良な人を彷彿させるような女性なのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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