認知症サポーター、職種に応じた対応策を学ぶ 臼杵市、本年度から新たな養成講座【大分県】

臼杵市が本年度から実施している職種に対応した認知症サポーター養成講座。スーパーマーケットでの対応について学ぶ従業員ら=同市市浜

 【臼杵】長年取り組んでいる認知症サポーター養成について、臼杵市は本年度から、職種に応じた対応策を学ぶ講座を開いている。高齢化が進み認知症患者の増加が見込まれる中、見守り体制のさらなる充実を図る。第1弾はスーパーマーケットの従業員が患者の特徴や接し方を学び、理解を深めた。

 市は2006年から認知症サポーターを育成する。21年に九州で初めて「市みんなで取り組む認知症条例」を制定。行政や市民、事業者が各立場から認知症予防や患者への支援に取り組む指針を示した。

 事業者には、従業員に対する必要な教育や利用客それぞれの特性に応じた気配りを求めている。職種ごとに必要な知識や対応について学んでもらおうと新たな養成講座を始めた。

 マックスバリュ市浜店(市内市浜)の従業員が初めて受講。6回に分かれ、計38人が参加した。

 今月23日の講座では、市内の地域包括支援センターコスモスの職員が認知症について説明をした後、▽毎回同じ商品を購入する▽支払いに時間がかかる―など売り場やレジで起こり得る困りごとや対応方法などを紹介。「本人の焦りや不安を軽減し、安心できる声かけが大切」と呼びかけた。

 同店の甲斐昭広店長は「正しい対応を学ぶことで認知症のお客さまのサポートができれば」と話した。

 市高齢者支援課によると、市の高齢化率は42.16%(同1日現在)。40年には45%を超えると予測される。同課は「日常の中のさりげない手助けが認知症患者の安心につながる。今後は講座を多業種に広げていきたい」と述べた。

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