ダイナミックなシャチのショー、イルカと触れ合う体験 開業前の神戸須磨シーワールド、報道陣に披露

水中からダイナミックに飛び出すシャチ 神戸須磨シーワールドの様子

新しい水族館「神戸須磨シーワールド」が6月1日(土)、須磨海浜公園(神戸市須磨区)にオープンする。開業を前に報道関係者向けの内覧会が開かれ、シャチやイルカのショーや展示のお披露目が行われた。

【写真】客室内で優雅に泳ぐ魚たち。神戸須磨シーワールドホテルのプレミアムルーム

神戸須磨シーワールドは、“スマスイ”の愛称で親しまれた「神戸市立須磨海浜水族園」(2023年5月閉園)跡地に開業。「すべてのいのちは、こんなに大きい。」をコンセプトに「オルカスタディアム」「ドルフィンスタディアム」「アクアライブ」の3棟で構成、560種1万9千点の生きものを展示し、その生態や自然環境などについて楽しく学べる施設となっている。

大きな目玉は、「オルカスタディアム」で行われる西日本で唯一のシャチのパフォーマンス。巨大なシャチがプール内をハイスピードで動き、須磨の海を背景としてダイナミックに空中を舞う姿は圧巻だ。同スタディアムは4つのプールがあり、総水量は約8500トン。そのうちの1つは、治療の際、水を抜かずに床を上げることで対応できる「メディカルプール」で、動物の負担を軽減できるという。

観客の収容人数は立ち見を入れて約2500人。席の下に温度調節の配管を通し、夏は涼しく冬は暖かい予約席も設けた。

同棟には、生態調査データなどを紹介した、世界初のシャチに関する教育ゾーン「オルカラボ」、大画面ディスプレーで知床のシャチの映像を映し出す「オルカホール」も設置。アクリル越しにシャチを眺めながら食事ができる約320席のブッフェレストランも人気を集めそうだ。

「ドルフィンスタディアム」でのイルカショーも海をバックに上演。複数頭がタイミングを合わせ同じポーズでジャンプしたり、「キューキュー」と鳴き声を上げたり、尾ビレを振って「バイバイ」したりと、愛らしい芸で観客を魅了する。ビーチをイメージしたプールで触れ合い体験ができるプログラム「ドルフィンコミュニケーション」(約20分間。1人2000円)や、幅12メートル、高さ2.7メートルの水槽越しに、泳ぐイルカをゆっくりと眺められる「ドルフィンホール」も。

「アクアライブ」では、「水の一生」をテーマに、さまざまな自然環境を再現し、そこにすむ生きものを紹介。日本の河川の上流域にいるイワナやアマゴ、国の特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオ、兵庫県の河川にすむオイカワ、スマスイ時代から保全活動を続けてきた、絶滅が危惧される魚、カワバタモロコも観察できる。

そのほか兵庫県の郷土料理「くぎ煮」で知られるイカナゴの水槽や、水中に「鳴門の渦潮」を再現して魚がどのような動きをするか見ることができる水槽、7種類のクラゲを楽しめるコーナーなども。カリフォルニアアシカ、ゴマフアザラシ、ウミガメ、マゼランペンギンの陸上と水中の様子を見ることができるゾーンもある。

アクアライブ1階の無料エリア「スマコレクション」では、スマスイのアマゾン館にいたピラルクなどの淡水魚と“再会”できるほか、スマスイの模型なども設置。シーワールドの担当者によると、スマスイにいた生きものの約9割を引き継ぎ、飼育しているという。

内覧会では、シーワールドと同日に開業する、隣接ホテル「神戸須磨シーワールドホテル」の館内も公開。ホテル内の「ドルフィンラグーン」では、イルカと一緒に泳ぐプログラム(宿泊客対象で、1人1万5千円。1日3グループ限定)を実施するほか、魚が泳ぐ水槽付きのプレミアムルーム(6室)もあり、水族館のオフィシャルホテルらしい体験ができる。80ある全客室がオーシャンビューで、瀬戸内海の絶景を望むビューバス付きの部屋も。宿泊の特典として、シーワールドへの入場が無料になる。

問い合わせは、神戸須磨シーワールド078-731-7301、神戸須磨シーワールドホテル078-754-9451。なお、オープンから当面の間、シーワールドへの入場はウェブサイトからの予約が必要。

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