相模原北警察署 詐欺抑止の店を認定へ 被害減へ独自の取り組み 相模原市緑区

店頭に掲示されたサポート詐欺抑止の店のポスター

相模原北警察署(金成保廣署長)は、今年度から管内でサポート詐欺を阻止したコンビニなどを「サポート詐欺抑止の店」として認定し、店頭などにポスターを掲示してもらう取り組みを始めた。店員が声掛けしやすい環境をつくり、詐欺が身近にあることを周知し、被害の減少を目指す。

サポート詐欺とは、「パソコンがウイルスに感染した」などと嘘の画面を表示させ、その修理費や手数料を支払わせる詐欺のこと。電子マネーカードで支払わせることが多く、カードを購入する場所としてコンビニが使われることが圧倒的に多い現状がある。

サポート詐欺を未然に防ぐためには、「電子マネーカードを購入させない」ことが重要になる。そのため、同署ではコンビニ各店に注意を呼び掛け、購入客に対して一声掛けるなどの協力を要請している。さらに、「署がサポート詐欺を抑止した店を認定して周知することで、お店の方がより自信を持って声を掛けやすくなるのでは」とこの取り組みをスタートした。購入客に対しては詐欺への注意を訴えることもできる。同署の生活安全課の担当者は「被害を抑止するために多くのコンビニに広がり、1件でも減らすことができれば」と期待する。

「お客さまを守る」

5月24日にはローソン相模原二本松二丁目店とセブンイレブン相模原九沢小前店をサポート詐欺抑止の店として初めて認定した。功労者に金成署長から感謝状と「サポート詐欺抑止の店」のポスターが手渡された。2件の被害を食い止めたローソン相模原二本松二丁目店の渋井達也オーナーは「日頃から電子マネーを購入するお客さまには声掛けをするようにしている。ご近所の方も多く来店するので、お客さまを守るために、引き続き声を掛けていきたい」として、店頭と電子マネー売り場にポスターを掲示した。

金成署長は「声を掛けるというのはとても勇気のいることで、詐欺を1件でも阻止していただけるのは大変ありがたい」と感謝した。

なお、北署管内の今年の特殊詐欺の認知件数は5月20日時点で、前年より2件少ない4件。被害総額は約960万円で前年同時期と比較して約250万円の増加となっている。手口としては、オレオレ詐欺が3件、預貯金詐欺が1件発生している。同署では「パソコンがウイルスに感染して料金を請求されたという相談を多数受理している。十分に注意してほしい」と話している。

2件の被害を防いだ渋井オーナー(左)と金成署長

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