米首都の動物園にパンダ再び 年内に貸与へ、中国側と思惑一致

中国で飼育中の雄パンダ、バオリー=16日(Roshan Patel、スミソニアン国立動物園・保全生物学研究所提供、AP=共同)

 【ワシントン共同】米首都ワシントンのスミソニアン国立動物園は29日、中国から2歳のパンダ2頭が年内に貸与されると発表した。昨年11月に3頭を返還し、同園からパンダが姿を消していた。新たな貸与を望む米側と「パンダ外交」を通じて関係改善を図りたい中国側の思惑が一致した。

 同園が公開した動画にはバイデン大統領の妻ジルさんが登場。「パンダが戻ってくる!歴史的瞬間を祝うのが待ち切れない」と喜んだ。中国の習近平国家主席は昨年11月の訪米時に「パンダ保護で米国と協力を続ける用意がある」と語り、貸与に含みを持たせていた。

 新たにやってくる2頭は雄のバオリーと雌のチンバオで、いずれも四川省で飼育中。到着は秋以降とみられる。貸与は共同研究や繁殖を目的とし、期間は2034年4月まで。スミソニアン国立動物園は年間100万ドル(約1億5700万円)を中国側へ支払う。

 バオリーの母親はスミソニアン国立動物園で生まれた。昨年11月に返還された3頭のうちの2頭がバオリーの祖父、祖母に当たる。

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