OPECプラス減産、続く見通し 世界の原油在庫増加で

Natalie Grover Ahmad Ghaddar Alex Lawler

[ロンドン 29日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の関係者やアナリストは、燃料需要低迷で世界の原油在庫が4月まで増加したことを受け、OPECプラスが6月2日の会合で減産継続を決定する可能性が強まるとの見方を示した。

OPECが今月公表した暫定統計によると、経済協力開発機構(OECD)加盟国の3月の原油在庫は27億9000万バレルだった。OPECプラスによる減産にもかかわらず、前月比2000万バレル、前年同月比3400万バレルそれぞれ増加した。

OPECプラスの関係者は、「これは懸念事態」と指摘。「現物市場では供給が十分にあるが、需要は低迷している」と述べた。

IEAは、エネルギー分析調査会社カイロスのデータを引用し、OECD非加盟国の3月の原油在庫は200万バレル、4月は4850万バレルそれぞれ増加したと説明。在庫の増加幅が最も多かったのは中国だった。

石油ブローカーPVMのタマス・バルガ氏は、「在庫減少の明白な兆しがあるまで、OPECプラスが市場に原油を放出する可能性は低い」との見解を示した。

米金融大手JPモルガンのアナリストは、19日付のリポートで、「さらに懸念されるのは、5月第1─2週に世界の原油在庫の増加が続いたことだ。われわれは日量90万バレルの供給不足を予想していた」と説明。中国が原油安を利用して備蓄していると指摘した。

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