ロケ地118カ所 総移動距離約1800キロ 壮大な撮影 「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」本編映像

2024年6月7日より劇場公開される、英国文学最高の賞であるマン・ブッカー賞にノミネートされ、日本では2014年の本屋大賞で翻訳小説部門の第2位となった小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」の映画作「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」から、本編映像の一部が公開された。

公開されたのは、ハロルドの歩き旅のシーン。映像では、イギリスの雄大な大自然の中を進んでいくハロルドの姿とともに、フォークと伝統音楽の融合で知られるサム・リーの歌声が響き渡る。イギリスの南に位置するキングスブリッジから始まり、徐々に北上していく旅の中では、エクセター大聖堂や、ピークディストリクト国立公園があることでも有名なダービシャー、鉄道発祥の地としても名が知られるダーリントンなどを通って、目的地のベリック・アポン・ツイードまでを歩いていく。その距離を日本に置き換えると、横浜駅から本州最北端の青森県大間崎までに匹敵する距離となる。

歩き旅の撮影は、ハロルドの旅と同様に壮大なものだった。実際にハロルドがたどるルートを下見し、イギリス国内を5つの地域に分け、チームを編成して適切なロケ地を探索。8週間におよぶ及ぶ撮影の半分以上が野外での撮影になった上に、118カ所にものぼるロケ地をめぐった。その移動距離はハロルドが歩いた800キロの倍以上の1,770キロにもおよんだ。撮影場所のひとつには、原作者であり脚本を務めたレイチェル・ジョイスの自宅の庭先も採用されており、撮影時にはロケ隊のためにたくさんの紅茶をいれてくれたという。

「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」の主人公は、定年退職し、平凡な生活を送るハロルド・フライ。ある日、彼の元に1通の手紙が届く。差出人は、かつての同僚・クイーニーで、ホスピスに入院中の彼女の命はもうすぐ尽きるという。思いがけない手紙に戸惑うハロルドは、返事を出そうと家の近くのポストに向かう。しかし、ハロルドはある言葉をきっかけに、まさかの旅へと一歩を踏み出す決意をする。目的地までは800キロ。イギリスを縦断する手ぶらの旅は、次第にイギリス中を巻き込む壮大な旅路になっていく。

主人公のハロルド・フライを演じるのは、「アイリス」でアカデミー賞の助演男優賞を受賞したジム・ブロードベント。そして、夫・ハロルドのまさかの行動によって自身も変化していく妻のモーリーンを、「ダウントン・アビー」シリーズのペネロープ・ウィルトンが演じている。

【作品情報】
ハロルド・フライのまさかの旅立ち
2024年6月7日(金)公開
配給:松竹
© Pilgrimage Films Limited and The British Film Institute 2022

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