英仏独、対イラン決議案採択目指す 来週のIAEA理事会で 米反対

Francois Murphy John Irish

[ウィーン/パリ 29日 ロイター] - 英仏独の3カ国は来週の国際原子力機関(IAEA)理事会を前に、イランの核開発に対する行動を求める決議案を理事国に示した。米国は中東情勢のさらなる緊迫化を恐れて対イラン決議に反対の立場だが、3カ国は採択を目指す構えを見せている。外交関係者が29日、明らかにした。

ある欧州の高官は「われわれは米国に働きかけているが、米側はイランとの緊張を激化すべきではないという考えに固執している」と指摘。「しかし何も達成できていないため、毅然(きぜん)とした姿勢を示す必要がある」と述べた。

IAEA理事会が対イラン決議を最後に採択したのは1年半前で、3カ所の未申告施設から検知されたウラン粒子の調査に協力するようイランに求める内容だった。問題視されている施設の数は2カ所に減ったが、イランはウラン粒子についてまだ説明を行っていない。

外交関係者らによると、英仏独の決議案はIAEAの調査に主眼を置き、グロッシ事務局長にイランの核活動に関する「包括的な報告」を行うよう求める可能性に言及している。

英仏独は来週初めには決議案を提出する可能性がある。

ロイターが27日に確認したIAEAの機密報告書によると、イランはウランの濃縮度を安定したペースで兵器級に近い水準に引き上げている。IAEAとの協力改善に向けた協議が停滞していることも分かった。

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