車とバイクが正面衝突… 見かけた米兵、迅速な救助で負傷者の命救う 石川署がサプライズ感謝状 沖縄

 2月に沖縄県恩納村の国道58号で軽貨物車とバイクが正面衝突した事故で負傷したバイクの運転手を救護したとして、石川署は21日、米空軍嘉手納基地所属の中尉、レジーナ・ビーンさん(37)に感謝状を贈呈した。

 バイクを運転していた浦添市の50代男性は、太ももを骨折するなどの重傷を負い、大量出血で命の危険もあったが、早急な救急処置で一命を取り留めた。レジーナさんは「不安や緊張はなく、無我夢中で処置に当たった。彼の命が無事だと聞いてほっとしている」と話した。

 レジーナさんは事故当時、夫と友人2人で名護市に桜を見に行く途中だった。事故を見かけて負傷者の元へ駆け付け、近くにいた人からベルトを2本借りて止血した。男性はドクターヘリで本島中部の病院に搬送された。レジーナさんは、基地内で応急処置を担う部署に10年以上勤務した経験があったが、現場で措置に当たったのは初めてだったという。

 事故の聴取と聞かされ同署を訪れたレジーナさん。サプライズで感謝状を受け取り、「びっくりした。うれしい気持ちでいっぱい」と笑みを浮かべた。

 松堂徳彦署長は「医療の知識があるとはいえ誰もができることではない。的確で迅速な人命救助に感謝する」と述べた。(社会部・玉那覇長輝)

 

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