中国ハイテク産業開発区の収益力、中関村科技パークが首位

中国ハイテク産業開発区の収益力、中関村科技パークが首位

中関村国家自主イノベーションモデルエリア展示センター。(2023年5月26日撮影、北京=新華社記者/張玉薇)

 【新華社北京5月30日】中国の経済研究機関、天和経済研究所はこのほど、全国のハイテク産業開発区の収益力に関する研究成果を発表し、2024年版のハイテク産業開発区収益力トップ100ランキングを明らかにした。ランキングは国家級ハイテク産業開発区を対象に純利益と売上高、利益率の三つの指標を用いて収益力を評価したもので、北京市の中関村科技パークが圧倒的な優位性によって首位に輝いた。

 同パークの23年の売上高は8兆元(1元=約22円)以上、純利益は6千億元を超えてともに全国トップとなったほか、利益率は7.1%と上位100位の平均水準に迫った。

 ランク入りした開発区を省・直轄市・自治区別にみると、江蘇省の開発区が12カ所で最も多く、売上高と純利益の総額は上位100位全体の約10.0%を占めた。地域別では、東部地域の優位性が明らかで、ランク入りした開発区数は43カ所、売上高と純利益の総額はいずれも上位100位の60.0%以上を占めた。利益率も全国平均とほぼ同一水準だった。

 ランキングの上位10位には中関村科技パーク、上海張江ハイテク産業開発区、深圳市ハイテク産業パーク、西安ハイテク産業開発区、成都ハイテク産業開発区、広州ハイテク産業開発区、武漢東湖新技術開発区、合肥ハイテク産業開発区、杭州ハイテク産業開発区、蘇州工業パークが名を連ねた。東部地域からは6カ所、中部地域と西部地域からはそれぞれ2カ所が入った。

 全国に178カ所ある国家級ハイテク産業開発区の23年の生産額は18兆元で、中国の国内総生産(GDP)の約14.0%を占めた。工業増加値(付加価値額)は9兆2千億元で全国の23.0%を占めた。ハイテク産業開発区には全国のハイテク企業の約30.0%、「専精特新(専業化、精細化、特色化、斬新化)」の特徴を備える小巨人企業(大きな成長が見込まれるスタートアップ企業)の40.0%、上海証券取引所の新興ハイテク企業向け市場「科創板」上場企業の約60.0%が集まっており、国のイノベーション発展の最前線、産業クラスターを育む重要な受け皿、地域戦略を遂行する重要なプラットフォームとなっている。

© 新華社