セコム社員、ATM非常ボタンで現場駆け付け 詐欺見抜き80代女性救う 「財産守れて良かった」

島村雅夫署長(左)から感謝状を贈られた一ノ瀬さん(中央)と佐藤さん=22日、藤沢署

 神奈川県警藤沢署は22日、特殊詐欺被害を未然に防いだとして、セコム湘南統轄支社の一ノ瀬康之さん(39)と同社神奈川本部の佐藤義博さん(46)に感謝状を贈った。

 署によると、4月25日午後7時40分ごろ、藤沢市内にある金融機関のATMの非常ボタンが押された。一ノ瀬さんが現場に駆け付けると、80代女性が「お金を下ろしたいのに、ATMの使い方が分からない」と困惑していた。女性に理由を聞いたところ「息子が勤務先に迷惑をかけてしまい、お金を払わないといけない」と話したという。

 特殊詐欺の手口だと見抜いた一ノ瀬さんは、佐藤さんに電話で相談。佐藤さんの指示を受けて振り込みを思いとどまらせた。

 一ノ瀬さんは「優しく話しかけ、寄り添うことを心がけた。財産を守ることができて本当に良かった」と胸をなで下ろしていた。

 セコム神奈川本部(横浜市西区)は県と県警と犯罪の未然防止に向けて協定を締結しており、県内で発生する特殊詐欺の手口などの情報を共有している。

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