倉敷DESIGN GOALsコレクション2024(2024年5月3日開催)~ 障がいのあるクリエーターの「作品」に価値を見出す人が集う場

障がいのあるクリエーターの作品が航空会社や出版社と業務提携するなど、障がい者のアートが注目されることが増えてきました。

岡山県でも一般社団法人DESIGN GOALsが、障がいのあるクリエーターとデザイナーがプロジェクトチームとなって企業が希望するデザインを制作するプロジェクトに取り組んでいます。

ゴールデンウイークに、障がいのあるアーティストの原画を使った商品やワークショップが児島に集結するとの情報を得て、倉敷DESIGN GOALsコレクション2024に行ってきました。

DESIGN GOALsとは

DESIGN GOALsとは、一般社団法人DESIGN GOALsが取り組んでいる障がいのあるクリエーターとデザイナーがプロジェクトチームとなり、企業が希望するデザインを制作する事業です。

障がい者のアートは、就労や社会参加の準備段階の「余暇支援」という枠組みで営利を目的としないものも多く存在します。

しかし、一般社団法人DESIGN GOALsが取り組んでいるDESIGN GOALs PROJECTは、障がいのあるクリエーターのデザインに価値を見出し、報酬を保障することが障がい者の社会参加収入につながるという理念のもとに活動しているプロジェクトです。

プロジェクトに参加する企業にとっても社会貢献につながるメリットがあります。

倉敷DESIGN GOALsコレクション2024とは

一般社団法人DESIGN GOALsが主催する倉敷DESIGN GOALsコレクション2024は、5月3日(金・祝)に倉敷市児島にある児島市民交流センターにて開催されました。

2024年が3回目の開催で、今回のテーマは「高梁川流域」。

芝生広場と展示ホールの二か所を会場に、展示・販売だけでなく、ワークショップや飲食店が集まる楽しいコトおいしいモノが集うイベントです。

出展者の詳細は、画像を確認してください。

当日のようす

当日、会場に着くとまず目に入ったのは、カラフルに彩られた「DESIGN GOALs」のオブジェ。

手作りのあたたかな雰囲気が伝わってきますね。

このオブジェが設置された芝生広場では、飲食をはじめとした出店が、展示ホールでは飲食以外の展示を中心とした出展がありました。

販売やワークショップは、どちらの会場でも楽しめます。

以下では、飲食、展示・販売、ワークショップそれぞれのようすをレポートします。

飲食

飲食は、岡山県産の食材を扱っている飲食店を中心に11のお店が出店。

綿菓子やコーヒーはその場でいただけます。

私は、ジューシーな香りにそそられて唐揚げを購入しました。

どの飲食店もテイクアウト可能なので、環境が異なると食が進まない特性のあるお客さんも楽しめますね。

焼き菓子もたくさんありましたよ。

展示・販売

イベント名にもなっているDESIGN GOALsプロジェクトで、完成した原画商品の展示・販売会はどこも大盛況。

私は「DESIGN GOALs」というワードに惹かれてさまざまなクリエーターとの出会いを求めてイベントに参加しましたが、会場で出会った人の話を聞くと「お目当てのクリエーター」に会うことやそのクリエーターの作品を購入することを楽しみに来場した人も多くいました。

どの来場者も「障がいがあるから応援している」ではなく、「この人のデザインが好きだから応援している」と口にしていたことが印象に残っています。

クリエーターの「障がい」ではなく「作品」に価値を見出す人たちが集う場。

まさに、共生の入り口のような場だと感じました。

ワークショップ

ワークショップでは、障がいのあるクリエーターの作品を使った出展のみならず、普段は福祉施設で障がい者や高齢者を対象におこなわれている福祉ネイルハンドヒーリングの出展がありました。

常に視界に入るネイルを彩ったり動けなくても感じられる嗅覚を刺激したりすることで、気持ちが明るくなる利用者が多いそうです。

私が特別支援学校の教員をしていたころに、大人になった卒業生が「休日の余暇にネイルをしてもらって表情が柔らかくなった」と聞いたことを思い出し、福祉ネイルのキャンディ・スローのブースへ行きました。

担当してくださったネイリストさんも、障がいのある子どもを育てる保護者だそうで「支援されるだけでなく、自分も誰かを支援する立場になりたい」と福祉ネイルをはじめたのだとか。

せっかく児島に来たので、この日はデニムのアートネイルをしてもらいました。指先が明るくなると心も晴れやかになり、思わず青い空をバックに写真を撮ってしまいました。

おわりに

障がいのあるクリエーターの作品の展示会と聞くと、来場者も障がいのある当事者や支援者が多くなるイメージがありました。

しかし、倉敷DESIGN GOALsコレクション2024は純粋に「クリエーターの作品を楽しみに来た」来場者が多くいて、倉敷市内で開催しているマルシェと同じような「見る、買う、食べる」を楽しむ人々の姿がありました。

障がいのある人もない人もともに一日を楽しむ、文字通り「共生」が体現されたイベントDESIGN GOALsコレクションは、半年ごとに開催されています。次回は2024年11月4日(月・祝)に開催予定です。

晴れやかな気持ちを味わいに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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